実の父親・尾沢剛三(大口広司)に犯される小学生の美津子(桑名里瑛)。幼い美津子はそれを忌むべき近親相姦とは知らず、ただ心がズタズタにされていく毎日だった。ある日、美津子を抱く剛三の姿を、母親の小百合(宮崎ますみ)が発見してしまう。激しく泣き崩れる小百合。それでも母と娘を交互に抱く剛三。小百合は次第に美津子を女として嫉妬し始め、愛する剛三を奪われまいと今まで以上に激しいセックスに耽り、美津子は剛三に抱かれている間、そんな母を自分の心の中に宿すようになる。やがて、剛三のいない間、小百合は美津子を虐待するようになる。そんなある日、二人が言い争う最中に、美津子は小百合を思いあまって階段から突き落としてしまう。そして、小百合の死と引き換えに、美津子の心に女としての小百合が宿る…。それから数十年後。変態的なエロスの世界を描く車椅子の人気女流作家・三ッ沢妙子(宮崎ますみ・二役)は、自叙伝かと思わせる小説を執筆していた。その小説の執筆中、妙子の担当編集者が代わることになる。無口だが、何でも言うことを聞くその新しい担当・田宮雄二(いしだ壱成)を、いたく気に入る妙子。どこか影のある雄二はまるでロボットの様に、従順に妙子に従うのだった。ある日、雄二は妙子に質問する。「これ先生の自叙伝ですか?」。即座に否定する妙子。しかし、妙子自身も小説を執筆していく間に、自分が何者で、ここが小説の架空の世界ではないかとすら思い始める。一方雄二は、編集長(田口トモロヲ)から直々に、プライベートが全く謎である妙子の素性を調査するよう命じられる。妙子の私生活を暴こうとする雄二は、妙子が実は歩けること、そして妙子の家の瀟洒な邸宅には、誰も入れない秘密の部屋があることを知る。