1959年。小説「ティファニーで朝食を」で名声を高めた作家のトルーマン・カポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、ある小さな新聞記事に目を留める。カンザス州の田舎町で、農家の一家四人が惨殺された事件。カポーティはノンフィクションの新たな地平を切り開くという野望を胸に、ザ・ニューヨーカー誌の編集者、ウィリアム・ショーン(ボブ・バラバン)に執筆の許可を取りつける。そして良き理解者である幼なじみのネル・ハーパー・リー(キャサリン・キーナー)を伴い、事件の取材に着手。田舎町では彼の名声も役に立たず、最初は難航したが、やがて地元の警察の捜査部長であるアルヴィン・デューイ(クリス・クーパー)の妻がカポーティのファンであったことから事態が好転。ついには逮捕された犯人二人組に接触する。その内の一人、ペリー・スミス(クリフトン・コリンズJr.)との出会いはカポーティの創作意欲を強く刺激した。カポーティとペリーには生い立ちや境遇に共通点があり、二人は互いに相手の中に自分を見出すようになっていたのだ。やがて犯人に下される死刑判決。ペリーは、何度も面会に来るカポーティに心を開きかけていたが、ある時、自分の話をカポーティが小説に書き始めていることを知る。ペリーは警戒し始め、執筆は停滞。それでもカポーティは、小説を完成させる野心を捨てることができず、ペリーとの間に芽生えた友情と信頼を裏切る形で、ついに小説のクライマックスとなる犯行の詳細について聞き出すことに成功する。やがてペリーは、カポーティの眼前で絞首刑に処された。1965年、小説は「冷血」というタイトルでザ・ニューヨーカー誌に発表され、大反響を巻き起こすが、心に大きな痛手を負ったカポーティは、それ以降、本格的な作品を書けなくなってしまうのだった。