中学生の斉藤一夫(森田直幸)は、両親の離婚を機に、母と共に信州に転校してくる。尾道に恋人を残してきた一夫は、新しい生活に前向きになれないままだ。転入先の中学校では、幼なじみの一美(蓮佛美沙子)との再会が待っていた。幼い日の結婚の約束を、恥ずかしげもなく語りかける一美に、戸惑い、素直に受け入れられない一夫。しかし、そんな一美にも、今は弘という恋人がいる。弘の気障な態度もまた、一夫には面白くないのだ。ある日、一美は、自宅に一夫を招待する。一美の家は、蕎麦屋を営む大家族だ。一夫が母と暮らしていることと比べても、二人は全く違った環境で生きてきたのである。それでも、二人は、幼かった頃に返るかのように、少しずつ、打ち解けていき、思い出の場所である“さびしらの水場”へとやってくる。その水を掬おうとしてバランスを崩した二人は、誤って水の中へ落ちてしまう。慌てて這い上がり、一息ついた時には、既に、二人の心と身体は入れ替わっていた。二人はいったんは、一美の心を持った一夫が一美の家へ、一夫の心を持った一美が一夫の家へと帰っていく。しかし、事情がわからない家族達は混乱するばかりだ。結局二人は、それぞれの身体にあわせた生活をしていこうと決心する。戸惑いながらも、お互いに協力し合い助け合っていく一美と一夫。そんな中で、二人には、特別な感情が生まれ始める。しかし、一美の身体には、ある異変が起こっていた。