小中学生合わせても全校生徒がたったの6人しかいない田舎町の分校に、東京から転校生の大沢広海(岡田将生)がやってくる。中学2年生の右田そよ(夏帆)は初めてできた同級生を喜び、大沢の持つ都会の雰囲気に心をときめかせる。そんなそよと対照的に、大沢はどこか取っ付きにくい。ある夏の日、そよをはじめ、大沢も参加して友達みんなで海水浴へ行くことになる。道中、大沢は近道を行こうとするが、その道はかつて自殺者が出たことで誰もが避けて通る道だった。数年ぶりに通っていると、友達のひとりが自殺現場に誰かがいると言い出す。緊張の走る一行だが、突然トタンが大きな音を立てて倒れたことで、一目散にその場から逃げる。ところが、そよが線路に足をとられて転んでしまう。サンダルがはさまって立つことのできないそよを、大沢は平然と助ける。海からの帰り道、いつもの遠回りの道を行く友達と離れ、またも近道を行こうとする大沢に、そよは付いていく。近道を歩いていると、大沢がふいに「こっちに来ればふたりになれるかなと思って」とそよに伝える。その言葉は心に響き、次第にそよは大沢に惹かれていく。進級し、中学三年生になったふたりは、交際を始めていた。大沢の育った町を見てみたいと、そよは修学旅行先を東京にすることを提案する。はじめての東京に圧倒されるそよだったが、東京時代の大沢の友達に彼女として紹介されたことなどもあり、上機嫌で修学旅行を終える。季節は過ぎ、高校受験が間近になった。そよたちが住む地域の近くにはふたつの高校があり、普通ならばその高校に進学する。そよもそのつもりだったのだが、大沢は東京に戻るかもしれないと言い出す。このままふたりは離ればなれになってしまうのか、それとも……。