マイケル・ジャクソンとしてしか生きられない男、マイケル(ディエゴ・ルナ)。幼い頃から自分に違和感を覚え、別人になりたいと願った彼は、24時間365日、ずっとマイケルを演じることにしたのだ。仕事もマイケルのモノマネだから困ることは無い。英語しか話せないのに何故か住み着いたパリ。今日もストリートでマイケルのステップを披露するが、道行く人の反応は冷たかった。やがてマイケルは仕事で訪れた老人ホームで、マリリン・モンローのモノマネをするマリリン(サマンサ・モートン)と出会う。彼女はスコットランドの古城で仲間のモノマネ芸人たちと共同生活し、みんなで世界最大のショーを開こうとしていた。マリリンにたちまち恋をしてしまったマイケルは、彼女に誘われるままにスコットランドに向かう。そこで彼を出迎えたのはチャップリンやマドンナ、エリザベス女王やリンカーンなどになりきった人々だった。彼らはのどかな自然に囲まれた農場で鶏や羊を飼いながら自分たちの手で劇場を作っていた。そこで暮らし始めたマイケルは、とにかくマリリンのそばにいられるだけで幸せだった。やがて劇場が完成し、ついに地上最大のショーが始まった。精一杯芸に打ち込む一同。しかし観客の数は芸人の数より少なかった。失望と疲労に落ち込む一同をリンカーンが慰めた。しかし、陽気さを取り戻した彼らを更なる悲劇が襲った。マリリンが自殺してしまったのだ。悲しみを抱えたままパリに戻るマイケル。アパートでひとりぼんやりしているマイケルの耳元に、マリリンの声が聞こえてきた。「私には人生が苦しかったの。あなたは心を強く持って、諦めずに探し続けて」そのマリリンの言葉に励まされたマイケルは初めて「自分自身」として生きる決心をするのだった……。