韓国南東部の地方都市ミリャン。車の故障で立ち往生してしまったシングルマザーのシネ(チョン・ドヨン)がレッカー車を呼んでいる。幼い息子のジュン(ソン・ジョンヨプ)を連れて、ソウルから引っ越してきたシネは、死んだ夫の故郷であるこの地で再出発をしようとしていた。レッカー車を運転してきたのは、地元で小さな自動車修理工場を営むジョンチャン(ソン・ガンホ)という38歳の独身男だった。商店街にピアノ教室を開いたシネは、近所の薬局を営むキム、ジュンが通う弁論教室の先生であるパク・ドソプらと知り合う。そんな中、シネに心惹かれたジョンチャンは、仕事そっちのけで何かと世話を焼くが、シネは全く相手にしなかった。ある夜、シネが帰宅すると、ジュンの姿がどこにも見えない。その後、シネに脅迫電話がありジュンが誘拐されたことを知ったシネは、翌日全財産を指定の場所へ届ける。しかし、ジュンは帰ってこなかった。ジュンの死体発見後、まもなく犯人が逮捕される。彼は、周囲の人々に同情されまいと資産家であるかのように振る舞っていたシネの嘘を真に受けて、犯行に及んだのであった。シネはあまりの心の痛みに耐えかね、近くの教会へとさまよい込む。そして、キムを始めとする教会仲間の集会や布教活動に参加するようになり、シネは徐々に元気を取り戻していった。やがてシネは、ジュンを殺害した犯人に赦しを与えることを決意する。ジョンチャンの車で刑務所を訪れたシネは犯人と面会するが、彼はすっきりとした表情で、自分も神を迎え、神は罪を赦したと話す。刑務所を出たとたんに気絶したシネは、この日を境に自宅に引きこもるようになる。シネは自暴自棄になり、やがて常道を逸した行動を取り始めた。そしてついには病院へと連れて行かれるシネ。しかし、ジョンチャンはそんなシネをひたすら不器用に愛し続けていたのであった……。