ガラパゴス諸島の西、フェルナンディナ島には海イグアナが生息している。その近く、フランス領ギニアの宇宙センターからロケットが打ち上げられる。南アフリカのポート・エリザベス沖では、ハセイルカがイワシの魚群を追っている。海面に追いやられたイワシを、上空からカツオドリが狙う。日本・島根県沖の海中を漂っているムラサキダコは、天敵に襲われると1mにもなる膜を相手に巻き付け、それをトカゲのしっぽのように切って逃げてしまう。アルゼンチンから大西洋に突き出したバルデス半島の砂浜では、オタリアがのんびりとくつろいでいる。しかし突然、シャチが彼らを襲う。オーストラリア・タウンズビル沖では、シャコとカニが対決する。同じくオーストラリアのストラドブローク島周辺では、ときには時速50km以上で泳ぐバンドウイルカが、波間から飛び上がっては姿を消す。日本の佐渡島近海では、一面ミズクラゲで埋め尽くされた幻想的な風景のなか、コブダイが泳いでいる。オーストラリアの東海岸では、ヨシキリザメの漁が行われている。フカヒレとなるヒレだけを切り取り、海に捨てられた瀕死のサメの前を、餌となるはずの小魚が無警戒に通り過ぎる。オーストラリア・メルボルン沖の海底には、5万匹ものクモガニが大量発生し、場所によっては1mもの高さに重なり合って交尾をしている。ポルトガル・アゾレス諸島のマイルカは、海面から飛び上がってはクルクルと回転して見せる。アラスカ・チャタム海峡では、ザトウクジラが独特の狩りを行っている。数頭のクジラが魚群の周りに円を描きながら泡を吐き出し、魚を海面に集める。そして逃げ場を失った魚を一気に飲み込む。フランス・ブルターニュ沖は荒れに荒れ、トロール漁船を強風が襲う。港では、5階建てビルほどの高さの灯台が高波に飲み込まれている。北極海、浮氷の合間から姿を現したのは、“海のユニコーン”と呼ばれるイッカクである。彼らは、夏は海岸近く、氷が凍結する冬は沖合へと移動しながら生活している。