30年もの間、親の顔を知らず、天涯孤独に生きてきた男イ・ガンド(イ・ジョンジン)。彼の仕事は、債務者に重傷を負わせ、その保険金で利子が10倍に膨らんだ借金を返済させるという、血も涙もない借金取立て屋だった。そんなガンドの前にある日、彼を捨てた母だと名乗る謎の女(チョ・ミンス)が現れる。その話を信じないガンドは邪険に追い払うが、女は執拗に後を追い、アパートの前に生きたウナギを置いてゆく。ウナギの首には“チャン・ミソン”という名前と携帯電話番号を記した1枚のカードが括り付けられていた。躊躇いつつもガンドが女に電話をすると、子守唄が聴こえてくる。ドアを開けると、そこに佇んでいたのは、涙を浮かべながら歌うミソンだった。“母親の証拠を出せ”と詰め寄るガンドの残酷な仕打ちに耐えるミソンは、捨てたことをひたすら謝罪。自分の傍を離れず、無償の愛を注いでくれるミソンを、徐々にガンドは母親として受け入れてゆく。そしていつしかミソンは、ガンドにとってかけがえのない存在となっていた。だが、彼が取り立て屋から足を洗おうとした矢先、ミソンの行方が分からなくなる。その身を案じるガンドにかかってきた1本の電話。聞こえてきたのは、助けを求める母の悲鳴と激しい物音だった。自分が借金を取り立てた債務者の誰かが母を連れ去ったと確信したガンドは、債務者の家を訪ねてゆくが…。