学生時代からシナリオライターを目指しているが、なかなか芽の出ない34歳の馬淵みち代(麻生久美子)は、友人のマツモトキヨコ(山田真歩)を誘って社会人コースのシナリオスクールに通うことに。そこで出会ったのは、自称もうすぐ天才脚本家の超自信過剰な“ビッグマウス野郎”こと天童義美(安田章大)・28歳。そんな天童を毛嫌いする馬淵だったが、天童は“ばしゃ馬”のようにシナリオを書き続ける馬淵にひと目ぼれ。俺がつき合ってほしいって言ったらどうする、と天童は馬淵に声をかけるが「ありえない」とあっさり振られてしまう。長い間頑張ってきた馬淵にとって、口先ばかりの天童は恋愛対象以前に性格的にまったく合わないタイプだった。しかも、馬淵の頭の中はシナリオのことばかり。お洒落も恋愛もそっちのけ、合コンの席でもバイト中でもいいアイデアが思いつけばパソコンを開いてせっせと書き出すのであった。だがコンクールの一次審査も通らず、まだまだストイックにならないと、と自分を奮い立たせる馬淵。そんなある日、シナリオスクールの講師として来ていた映画監督の何気ない一言をきっかけに、老人ホームを舞台にした介護の話を書くことにした馬淵は、かつて役者を目指していたが今は介護士として働く元恋人・松尾健志(岡田義徳)に頼んで老人ホームのボランティアを始める。しかし、キヨコが映画の脚本を書くことになったと知り、嫉妬とやるせなさで落ち込んでしまう。一方、ひたむきに夢を追いかける馬淵の姿に刺激された天童は、初めて自分自身を見つめペンをとることを決意。やがて、反発しあっていた二人の距離は徐々に縮まっていくのだが……。