眠れないまま、アロイシュス・パーカー(クリス・パーカー)は、ニューヨークの裏街で歩きまって夜を過ごしていた。「どの人間も住んでいる部屋に似ていて、定着してしまえばおしまい」と考える彼は、そうならないために、追いかけてくるものの一歩さきを動いていこうと強く思っていたが、それを同居している女友だちのリーラ(リーラ・ガスティル)に伝えることはむなしい。彼女は部屋の外を窓から見ている。アパートに戻った彼は1人、ビー・バップのレコードをかけて踊る。彼は自分から口を開いて孤独について漂流の必要性などを彼女に話す。彼の父も漂流癖があったが、そのために母(ルース・ボルトン)は精神病院に入院していた。突然、アロイシュスは母を見舞いに行こうと思いたち実行に移す。荒れはてた病院に母を訪れる彼。老朽化した部屋に老婆といっしょに寝起きしている母。彼女とは意志の疎通が難しい。病院を出たアロイシュスは、また街をうろつく。ビルの前の少年たち、スペイン語の歌を歌っている少女たち。映画館のロビーに入ってポップコーン売りの娘に話しかけるが、相手にされない。黒人のジャンキーが彼を呼びとめ、ジョークを言う。あるアメリカ人ジャズ・ミュージシャンがヨーロッパで貧困し自殺しようとする話だ。男は自分で大笑いするが、アリーは楽しめず、またさまよい出す。あるサックス・プレイヤーがアロイシュスに美しいメロディーを即興で聞かせる。翌朝、屋上で日覚めるアロイシュス。その晩、アロイシュスはリーラのアパートに戻ってみるが、彼女は家にいない。寝室からスーツケースを持ち出し、パスポートを入れる。再び朝。アロイシュスは波止場にいる。少し離れたところに、同じようにスーツ・ケースを持った青年がいる。彼はフランス人でニューヨークには休息を求めてやって来たと語る。アロイシュスは、彼に自分はパリに行った方がいいかときく。青年は行った方がいいと答えた。入れかわるような2人。甲板で、長い桟橋を歩いて、アロイシュスは、船に近づくのだった。