桜ヶ丘小学校4年2組を受け持つ新米教師・岡野匡(高良健吾)は、まじめだが優柔不断、問題に真っ正面から向き合えない性格だ。そのためか、児童たちはなかなか彼の言うことをきいてくれず、恋人との仲もあいまいな状態が続いている。一方、水木雅美(尾野真千子)は、夫が海外に単身赴任中のため3歳の娘・あやねとふたり暮らし。ママ友らに見せる笑顔の陰で、雅美は自宅でたびたびあやねに手をあげている。実は雅美自身も幼い頃、親に暴力を振るわれていた過去があった……。小学校へと続く坂道の家にひとりで暮らす老人・佐々木あきこ(喜多道枝)が他人と会話をかわすのは、登下校の途中で挨拶をしてくれる名前も知らない小学生だけであった。そんなある日、買い物に行ったスーパーでお金を払わずに店を出たことを店員の櫻井和美(富田靖子)に咎められ、あきこは認知症が始まったのかと不安を感じるようになる……。ひとつの町でそれぞれに暮らす彼らは、様々な局面で交差しながら、やがて新たな一歩を踏み出していく……。