ブルーノ・ボノーモ(シルヴィオ・オルランド)は、タランティーノより遥か以前にB級映画の価値を見出したほど目利きの映画プロデューサーだったが、このところはヒット作に恵まれていなかった。それだけでも散々なのに、銀行から借入金返済を迫られ、お抱えの監督には逃げられ、目も当てられない毎日。その一方、かつてブルーノが製作するB級映画に出演し、女優として人気を集めた妻パオラ(マルゲリータ・ブイ)は引退。2人の息子を育てながらコーラスの練習に励み、充実した日々を送っていた。だが、お決まりのように、ブルーノの女優たちとの度重なる浮気が原因で今や離婚寸前。新作『コロンブスの帰還』は資金がショート。そんなある日、自作の上映会場で赤ん坊を抱いた監督志望の若い女性テレーザ(ジャスミン・トリンカ)から、映画「カイマーノ」の脚本を手渡される。切羽詰まっていたブルーノは、短編経験しかないテレーザを無謀にも「カイマーノ」の監督に起用。ところが案の定、現場は混乱。改めて脚本をじっくり読んでみたところ、それはイタリア首相のベルルスコーニを糾弾する映画だったのだ。だが、それが分かった時には後の祭りで……。