イラク戦争やグアンタナモ収容所についてのドキュメンタリー映画で高い評価を得るとともに、当局からの監視や妨害を受けてきた映画監督ローラ・ポイトラス。彼女は、2013年初め、“シチズンフォー”と名乗る人物から暗号化されたメールを受け取るようになる。それは、NSA(国家安全保障局)が、米国民の膨大な通信データを秘密裏に収集している、という衝撃的な告発だった。2013年6月3日、ローラは“シチズンフォー”の求めに応じて、旧知のジャーナリスト、グレン・グリーンウォルドとともに香港へ向かった。ホテルで2人を待っていたのは、29歳の元CIA職員エドワード・スノーデン。彼の話の一部始終をローラのカメラが記録する中、驚くべき真実が次々と暴露されてゆく。NSAや他国の機関が、どのような仕組みでテロや犯罪への関与と無関係に、あらゆる国民の電話、メールからインタネーットの検索ワードまで、すべての通信記録を収集・分析しているのか。政府の監視活動にIT企業がいかに協力し、情報を提供しているのか。 驚いたことに、スノーデンは自ら内部告発者として名乗り出ることを望んでいた。なぜ彼は、自分や恋人の身に重大な危険が及ぶことが予測されたにもかからず、この告発に至ったのか……。当局の追跡がスノーデンに迫る中、6月5日、グレンは彼が契約していた英国紙ガーディアンに最初の記事を掲載する。そのスクープはたちまち大反響を巻き起こした。さらに6月10日、スノーデン自身が告発者であることを名乗り出る。この前代未聞の暴露事件は、全世界にどのような影響をもたらしたのか……。