書店でアルバイトをしながら自由気ままに暮らす34歳の彩(上野樹里)の彼氏は、給食センターでアルバイトをしている20歳年上のバツイチ男・伊藤さん(リリー・フランキー)。互いにいい年だが、特に将来について話し合うこともなく流れるままに付き合うことになり、小さなボロアパートで同棲している。華やかではないが庭で家庭菜園をしたり、ふたりなりに慎ましく暮らしていた。そんなある日、息子夫婦の家を追い出された彩のお父さん(藤竜也)が、ボストンバッグと謎の小さな箱を持って突然転がり込んでくる。年齢の割には頼りなさげな伊藤さんの存在を知り、驚くお父さんだったが、この家に住むと頑として譲らない。その日から、彩とお父さんと伊藤さんのぎこちない共同生活が始まった。やがてお父さんと伊藤さんの間に不思議な友情が芽生えていく中、爆弾のように激しい性格のお父さんは、彩たちの穏やかだった日常を一変させてしまう。それでも毎日のおかしなハプニングを経て、3人がひとつの家族のようになりかけた矢先、「しばらくでかける」と情けない文字で書かれた置き手紙がひらりと一枚机に置かれ、お父さんは行方不明になってしまう……。