太平洋に面した日本の片隅にある地方都市・咲良田〈サクラダ〉。そこに住む人々の半数は物理法則に反した特別な能力を持っている。だが彼らが持つ能力は千差万別で、サクラダから出た途端に能力の存在を忘れてしまうため、それはサクラダの外には隠されている。そしてその力は「管理局」と呼ばれる公的機関によって慎重に監視・制御され、大きな問題が起こることはなく、サクラダの人々は特別な能力者と共生し、ごく普通の生活を営んでいた……。浅井ケイ(野村周平)は「記憶保持」の能力を持つ高校生。過去に体験したすべての記憶を保持することができる。一方、春埼美空(黒島結菜)は、世界を最大3日分巻き戻すことができる「リセット」という能力を持っている。だがその力はあまりにも強大なため彼女自身の記憶もリセットされてしまい、巻き戻った時間に何が起こったのか覚えていない。しかし、ケイだけは記憶を保持する能力によってその時間の出来事を覚えおり、二人が一緒にいることで世界を最大3日やり直すことができるのだった。だがそんな二人には取り戻せない過去があった。2年前、「リセット」の影響を受け、同級生の相麻菫(平祐奈)が死んでしまったのだ。ある日、ケイと春埼が所属する“奉仕クラブ”にある依頼が舞い込んでくる。「写真に入る」能力を持ちながらそれを奪われてしまった老人・佐々野宏幸(大石吾朗)が、奪われた能力を取り戻して欲しいというのだ。やがて二人は「未来を知る」力を持つ“魔女”と呼ばれる老婆(加賀まりこ)と出逢う。何の関連もないと思われたそれらの出来事から、相麻をよみがえらせる可能性に気付いたケイは、「声を届ける」能力を持つ親友・中野智樹(健太郎)や、「モノを消す」能力を持つ村瀬陽香(玉城ティナ)、「記憶を操作する」岡絵里(恒松祐里)らと共に禁断のアプローチを開始。かくして、相麻はよみがえったかのようにみえたが、ケイたちは驚くべき真実に遭遇する。相麻菫の再生こそが、すべての始まりであった……。