1950年代からハリウッドで活動したハロルド・マイケルソンとリリアン・マイケルソン夫妻。セシル・B・デミル監督「十戒」(56年)でモーゼが海を割り奇跡を起こすシーン。アルフレッド・ヒッチコック監督「鳥」(63年)で逃げ惑う生徒たちを鳥が襲うシーン。マイク・ニコルズ監督「卒業」(67年)でミセス・ロビンソンが自宅まで送らせたベンジャミンをエロティックな脚線美で誘惑するシーンなどハリウッド映画を代表する名場面を創った絵コンテの数々。他に「ウエスト・サイド物語」(61年)、「ローズマリーの赤ちゃん」(69年)、「スタートレック」(79年)、「コットンクラブ」(84年)、「フルメタル・ジャケット」(87年)、「太陽の帝国」(88年)などハリウッド全盛期に誕生した100作以上の名作でハロルドは絵コンテを描き、リリアンは映画リサーチャーを務めた。本作では、ハロルドが描いた数々の絵コンテとそこから生まれた名シーンの数々、ヒッチコックやマイク・ニコルズと現場をともにする二人の姿、彼らと深い交流のあったフランシス・フォード・コッポラやメル・ブルックス、ダニー・デヴィートらのインタビュー、リリアンが語る亡き夫ハロルドの回想などから、創造性とアイディアを分かち合った夫婦が残した偉業と愛の軌跡を浮き彫りにする。