シラクサの商人イジーオン(吉田鋼太郎)は嵐で離散した家族を探す旅に出ていたが、その途中でたどり着いた敵地エフィソスの港で逮捕され、公爵から死刑を宣告される。イジーオンは妻エミリア(鶴見辰吾)、双児の息子アンティフォラス(小栗旬・二役)、召使として育てた双児のドローミオ(高橋洋・二役)と離れ離れになってしまった事情を説明し、許しを請う。そのころ、兄を探す旅に出ていたアンティフォラス弟とドローミオ弟も偶然エフィソスに到着する。実は二人の兄たちもこの街に住んでいたが、もちろん彼らはそんなことを知る由もない。街を一人で歩いていたアンティフォラス弟のもとにドローミオ兄がやってきて、食事に戻るよう、妻エイドリアーナ(内田滋)が待っているなどと奇妙なことを告げる。やがてアンティフォラス兄弟の前に召使のドローミオ兄弟が入れ替わりに現れ、状況は混乱し始める……。