1967年、ミシガン州アナーバーで、フロントマンのイギー・ポップ、ロン&スコットのアシュトン兄弟、デイヴ・アレクサンダーによって結成されたバンド、ザ・ストゥージズ。ところが、型にハマらない彼らの音楽はキワモノ扱いされ、思うような活動ができなかった。そんな中、彼らにいち早く注目したのが、イギリスで人気絶頂だったデヴィッド・ボウイだった。ボウイに招かれたザ・ストゥージズは渡英。プリミティブかつ攻撃的なサウンド、サイケやフリー・ジャズなど様々な要素を取り入れた実験性とミニマルな音作りの融合。そして、ヴォーカル、イギーの過激なステージング……。それまでのロックの概念を破壊する唯一無二のスタイルを生み出したものの、結局、わずか3枚のアルバムを残して、74年にバンドは解散する。セックス・ピストルズ、ニルヴァーナ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなど後の音楽シーンに多大な影響を与え伝説となったザ・ストゥージズ。彼らがロック・ファンを惹きつける理由とは何なのか。イギー・ポップを軸に、メンバーと、本当に近しい関係者のインタビュー、そして新たに発見された貴重な映像や写真から、ザ・ストゥージズの真実が明らかになる……。