小さなサーカス団でマジシャンの助手をしているオリアアキ(桜井ユキ)、29歳。女優を夢見て上京して10年。サーカスに入団した頃は若く美しかった彼女も、30歳を目前に、生きる目標を見失い、モラトリアムな日々を過ごしていた。ステージ上で、マジシャンの催眠術にかかるふりをしていたアキは、体を浮かされ、剣に刺され、催眠状態を演じているうち、妄想と現実の境界が揺れ始める。自分が生きてきた人生の軌跡。彼女の中を駆け巡る過去の疑問と屈折。現実と妄想の2つの世界を行き来するうち、彼女の精神状態は徐々に摩耗していく。唯一アキの中で美しい思い出として残るのは恋人・カイト(高橋一生)との時間だった……。そして、2つの世界の境界が壊れるとき、アキの人生の再生が始まる……?!