50代にしていまだ美貌を保ち、若い読者にも根強いファンを持つ売れっ子の女流小説家・松村涼子(中山美穂)は、満ち足りた生活を送っていたある日、自分が遺伝性のアルツハイマーに侵されていることを知る。人生の終焉と向き合うことを余儀なくされた涼子は、“魂の死”を迎える前に、執筆活動以外の何かをやり遂げようと、大学の講師を始める。そして迎えた講義初日、学生たちと訪れた居酒屋で、アルバイト店員の韓国人留学生チャネ(キム・ジェウク)と出会う。ひょんなことから涼子の執筆活動を手伝うことになるチャネ。作業を進めるうち、現実と小説の世界で交差していく2人は、次第に年齢の差を超えて惹かれ合ってゆく。だが、そんな2人の気持ちとは関係なく、涼子のアルツハイマーは容赦なく進行していた……。