1972年、韓国と北朝鮮との間で南北共同声明が発表される。統一ムードが高まる中、初の南北首脳会談に向け、韓国で北朝鮮の最高指導者・金日成の代役オーディションが秘密裏に行われる。合格したのは、売れない役者のソングン(ソル・ギョング)だった。完璧な金日成になるという使命を与えられたソングンは、役にのめり込むあまり、幼い息子テシクが“パパじゃないみたい”と言うほどの変貌を見せる。やがて、役から抜け出すことができなくなったソングンは、いつしか自分を金日成だと信じ込んでしまう……。それから22年後の1994年。成長したテシク(パク・ヘイル)が、ある事情で老人ホームに入居していたソングンを迎えにやってくる。こうして2人の同居生活が始まるが、テシクは日々、金日成として振る舞うソングンに振り回されっぱなし。だが、時折見せる父親としての顔に、思いを断ち切ることもできない。果たして、ソングンは父親としての自分を取り戻すことができるのか……。