とある雑居ビルにあるデリヘルの事務所。カノウ(伊藤沙莉)は、この店でデリヘル嬢たちの世話係をしている。華美な化粧と香水の匂いをさせながら、なにやら喋っているオンナたち。彼女たちは冷蔵庫に飲み物がないとか、あの客は体臭がキツイとか様々な文句を言い始め、その対応にカノウは右往左往。そんななか、店で一番人気のマヒル(恒松祐里)が仕事を終えて戻ってくる。マヒルの存在は部屋の空気を一変させる。何があっても楽しそうに笑う彼女を見ながら、カノウは小学生の頃にクラスで演じた芝居『カチカチ山』を思い出す。「そういえば私はタヌキの役だった。みんな可愛らしいウサギにばかり夢中で、タヌキになんか目もくれなくて。だから、ずっと憧れてた……」ある日、若くてモデルのような体形のオンナが入店してくる。彼女は、店の人気嬢ランクを変化させ、その不満は他のオンナたちに火をつける、やがて、店の中での人間関係や、それぞれの人生がガタガタと崩れ始め……。