演出家の卵・斎藤麻奈美(松井玲奈)は、実家の美容室を手伝いながら劇団50%を主宰しているが、劇団は鳴かず飛ばず。そんな麻奈美のもとに、東京で働いていた妹・尚(筧美和子)が死んだとの知らせが入る。麻奈美が劇団員の結婚祝いで馬鹿騒ぎをしていたその夜に、尚は資材置場で亡くなったのだった。その日、麻奈美は尚からの着信があったものの、電話に出ずにいた。母・京子(しゅはまはるみ)と離婚し家から離れていた父・慎二も尚の葬儀に来るが、香典を置いてすぐに帰ってしまう。父親として無責任な慎二に憤った親戚たちは麻奈美と尚が腹違いの姉妹であることを口に出し、初めてそのことを知った麻奈美は母と喧嘩する。高校からの仲で劇団の主演女優である早苗(日高七海)とともに遺品整理のため尚が住んでいた東京のアパートに向かうと、部屋はゴミ屋敷状態だった。家族と疎遠になった尚が、東京で孤独に生きていたことを知る麻奈美。部屋を訪ねて来た尚の同僚・ほのか(江野沢愛美)から、尚の死の原因は上司のアルコール・ハラスメントであることを聞き、麻奈美はほのかとともに尚の勤務先へ。部長の権田(袴田吉彦)がほのかに日本酒を無理矢理飲ませようとし、尚が代わりに飲んだために死んだが、権田は責任を認めようとしない。麻奈美はほのかを支援していた反パワハラ・セクハラのNPO代表・新山(木口健太)と知り合い、新山も演劇経験者であることから二人は意気投合。新山は、麻奈美がかつて学生演劇コンクール最優秀作品を受賞した戯曲『葡萄畑のアンナ・カレーニナ』の上演を提案する。才能のある妹への嫉妬、妹の作品を盗作したことへの罪悪感、家族を捨てた父親への嫌悪感など、様々な感情を持て余し自分と向き合う事から逃げてきた麻奈美は、妹の死をきっかけに、過去と向き合う。