大学で民俗学を学ぶ堤春奈(恒松祐里)は、十数年来ネットで現代版神隠しと話題になっている都市伝説“きさらぎ駅”を卒業論文の題材に取り上げることにした。きさらぎ駅の原点となった書き込みの投稿者“はすみ”ではないかとされる葉山純子(佐藤江梨子)という女性の存在を知った春奈は、純子の連絡先をようやく手に入れる。数ヶ月にわたりメールでやり取りを重ね、純子と会う約束を取り付けると、きさらぎ駅の舞台となった路線にある一軒家を指定される。春奈を出迎えた純子は、どこか影のある雰囲気を持っていた。春奈がネットで噂されるはすみ本人との真偽を確かめると、純子はどこか謎めいた笑いを浮かべながらも静かに頷く。続けて、きさらぎ駅へたどり着いた経緯やその後の出来事などを聞き出すが、その内容は到底信じられるものではなかった。しかし、純子の話のなかで、なぜ純子だけがきさらぎ駅へたどり着くことができたのか、そのヒントに気づく。春奈は純子と別れると、自然ときさらぎ駅の舞台となった遠州鉄道の駅へ向かう。そして、春奈の運命は大きく狂っていくのだった……。