文明開化もめざましい近代日本。特殊な能力【異能】を受け継ぐ家系の者たちが代々、国を治める帝と共に、様々な災いから人々を守り続けてきた。帝都に屋敷を構える異能家系の長女・斎森美世(今田美桜)は、能力を持たずに生まれたことで、継母・香乃子(山口紗弥加)や異母妹・香耶(高石あかり)から虐げられてきた。すべてを諦め、耐え忍んで生きる彼女だったが、ある日、若くして異能部隊を率いる冷酷無慈悲な軍人・久堂清霞(目黒蓮)との政略結婚を命じられる。数多の婚約者候補が三日も持たずに逃げ出したという噂の通り、清霞は美世に冷たく言い放つ。「ここでは私の言うことに絶対従え。出ていけと言ったら出ていけ。死ねと言ったら死ね」だが、逃げ帰る場所のない美世は、久堂家で過ごすうち、清霞が悪評通りの人物ではないことに気づく。そして清霞もまた、美世の心遣いに触れ、いつしかふたりは互いに心を通わせてゆくのだった。幸せなど到底ないと思われた政略結婚に光が差し込み、少しでも長くこの人と居たいと望む美世。しかし、その頃帝都では不穏な【災い】が次々に人々を襲う事件が発生し、清霞は帝から国民の盾となることを命じられる。命を賭して戦う清霞。その身を案ずる美世。だがその災いの影には、思いもよらぬ陰謀が渦巻いていた。任務を全うする清霞の背後で美世にも魔の手が迫り、やがて残酷な運命がふたりを切り裂いてゆく……。