夜になると人の気配が遠のく、ロンドンのタワーマンションに一人暮らす40代の脚本家アダム(アンドリュー・スコット)。彼は12歳の時に交通事故で両親を亡くし、それ以来、孤独な人生を歩んできた。そしていま、在りし日の両親の思い出に基づく脚本に取り組んでいる。そんなある日、アダムが幼少期を過ごした郊外の家を訪ねると、そこには30年前に他界した父(ジェイミー・ベル)と母(クレア・フォイ)が、当時のままの姿で住んでいた。足繁く実家に通い、心満たされるひとときに浸るアダム。やがて、固く閉ざしていた彼の心は、次第に解きほぐされてゆくのであった。一方、同じマンションの謎めいた住人、ハリー(ポール・メスカル)の偶然の訪問をきっかけに、アダムはハリーと恋に落ちてゆく。だが、その夢のような愛おしい日々は永遠には続かなかった……。