天下泰平の江戸時代。人々の平和な暮らしの裏側に、限られた者しか存在を知らない特殊部隊【邪魚隊】があった。スリ師の鱗蔵(佐藤流司)、拷問仕掛けの天才・スルメ(橋本祥平)、毒の処方医・鮒右衛門(小柳心)、変装の達人・比売知(廣瀬智紀)からなる邪魚隊は全員が死刑囚。死刑免除と引き換えに、死と隣り合わせの危険な闇仕事を任される隠密部隊である。今回、邪魚隊に下された任務は、謎の集団・お太鼓教へ潜入し“ある物”を盗み出すこと。昨今、江戸の町では人が突然消える事件が続出。それらは人喰い鬼の仕業と恐れられ、一方でお太鼓教の教祖・安食満親(石井一彰)は鬼から人を守る救いの神として崇められていた。だが、将軍・徳川吉宗(永井大)ら幕府はお太鼓教と鬼との関係に疑問を抱いていた。御典医・蓼丸玄庵(輝馬)によると、その“ある物”が、鬼退治に役立つというのだ。そんななか、邪魚隊の前に水野平馬(阿久津仁愛)という堅物侍が現れる。生き別れの姉を探す旅を続けていた平馬だったが、お太鼓教の歌姫・音御前(高田夏帆)こそが姉であると確信。真実を知るため、鱗蔵たちとともにお太鼓教に忍び込む。ところが、平馬の行動が生んだアクシデントにより、鱗蔵たちは安食の側近・多々良(玉城裕規)に捕えられてしまう。さらに、目の前に現れた安食によって、鱗蔵の封印していた過去が甦る。はたして、邪魚隊はお太鼓教の陰謀から江戸の町を救えるのか。人喰い鬼とならず者たちの妖美にして痛快な戦いが今始まる……。