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鑑賞日 2025/03/20  登録日 2025/03/23  評点 70点 

鑑賞方法 映画館/宮城県/イオンシネマ新利府 
3D/字幕 -/字幕
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明日があるさ

 2023年のイタリア映画。
 デリアが投票できても、イヴァーノとの関係性が改善するのだろうか。女性の参政権が認められ、実際に女性たちが投票したことで、女性の地位は確実に向上していくんだろうけど、それが家庭にまで浸透するにはまだ時間がかかりそうだけどなあ。マルチェッラは進学するにせよあの家を出ないと難しいんじゃないのかなあ。学費をイヴァーノに取り上げられないことを祈るばかりです。そして進駐軍の黒人兵、あそこまでやってくれるとは凄い。しかしカフェを失くしたらほかに資産がないと言うのはいったいどんな金持ちなんだ。あの時代でも結婚後も女性に優しいイタリア男はたくさんいたんだろうか。作りに凝った映画で結構楽しめました。

あらすじ:1946年のローマが舞台。デリアは夫イヴァーノと寝たきりの義父オットリーノ、娘のマルチェッラ、幼い二人の息子とアパートの半地下の部屋で暮らしていた。朝、自分より先に夫が起きていると殴られ、ちょっとしたミスがあれば殴られる。注射を打つ看護師のような仕事、洗濯、傘の組み立て、下着の修繕などで小銭を稼ぐがすべてイヴァーノに取り上げられる。マルチェッラは学校に行きたかったが働かされ給料はすべてイヴァーノに取り上げられていた。そんなデリアももらった報酬を一部抜いてへそくっていた。また市場で野菜を売っている友人のマリーザとちょっとおしゃべりしたり、自動車修理工場で働くニーノからは30年間毎日後悔していると告白されていた。マルチェッラは成金の息子ジュリオからプロポーズされ舞い上がる。ジュリオにイヴァーノと同じ匂いを感じたデリアがよく考えるよう働きかけるが、マルチェッラは舞い上がっていたしイヴァーノやオットリーノはカフェがあるうちは金に苦労はしないといって取り合わない。しかしカフェが爆破され、ジュリオとの婚約は解消となる。ある時デリア宛の手紙がくる。またニーノがもっと稼げる北イタリアへ移住するので日曜日に出発すると言う。日曜日の礼拝の後、マリーザに注射に行くと口裏を合わせてくれと頼み、へそくりから端切れを買ってブラウスを仕立てる。しかし日曜日の朝オットリーノが亡くなっていた。それを隠して教会へ行き説教の終わりを待っていたが、オットリーノをしばしば世話をしていた若者が死んでるのを見つけ教会まで告げに来てしまう。若者は死の発見を自慢しそのうち自分の目の前で死んでいったと言い始める始末だった。義父の遺体を守りながらイヴァーノとの楽しい戦前の生活を思い出す。イヴァーノは戦争から帰って来てから有無を言わさず暴力を振るうようになっていたのだった。マルチェッラの枕元にこれまで貯めたへそくりを学費に当てろと書置きし翌朝デリアは出かけようとする。イヴァーノに引き留められるが、注射をしていくらかでも稼いで花代の足しにするといい家を出る。デリアが行った先では多くの女性たちが並んでいた。デリアが落とした手紙を見たイヴァーノはデリアを追いかける。書置きとその手紙を見るマルチェッラ。デリアが並んでいたのは投票所で、前の日とその日、王政か共和制かを問う国民投票の日でイタリアで初めて女性に参政権が認められた日だった。追いついたイヴァーノだったが周りの女性たちの圧に負け引き下がる。投票用紙をなくしたことに気付いたデリアに手紙を渡したのはマルチェッラだった。やがて順番となりデリアは口紅を拭って投票用紙をなめて封をする。投票所を出て勝ち誇ったようにほほ笑むデリアとそれを見つめて微笑み返すマルチェッラがいた。