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鑑賞日 2025/04/14  登録日 2025/04/17  評点 68点 

鑑賞方法 映画館/宮城県/フォーラム仙台 
3D/字幕 -/-
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今の若者には何も伝わらないかも

 2025年の日本映画。桐島聡の伝記映画。
 闘争とは何なのか。東アジアの人たちとの連帯とはいったい何だったのか。企業爆破によって人々の意識がなぜ変わると思ったのか。そういったことは多くは語られず、逃走が闘争につながると信じた桐島の悲哀が描かれていました。桐島は確たる信念をもって闘争に参加したわけではなさそうで、逃げることも戦いだと言い聞かせられ逃げ続けていたけど、そんな中でも人々が理想とする方向に向かっていかなかったことはわかったはず。それでも逃げ続けた桐島の真意はやはりわからないままだった。こういった闘争に参加した人だと桐島の気持ちはわかったのでしょうか。そこをうまく描かないと半生を闘争=逃走に身を投じた桐島や当時権力に抗うべく闘争に身を投じた運動家の思いは伝わってこないんじゃないのか。今の若者には何も伝わらないかもしれないと思ってしまった。

あらすじ:1970年代、東アジア半日武装戦線は「狼」「大地の牙」「さそり」のグループに分かれていたが、狼による三菱重工東京本社ビル爆破を敢行するが爆薬の予想外の威力によって死傷者が出てしまう惨劇となる。無関係な一般市民を巻き添えにしたことを反省するが、3グループが合流し人を巻き添えにしない連続企業爆破12件を敢行。しかし公安によるメンバーの尾行でほとんどのメンバーが逮捕される。逮捕を免れた宇賀神寿一と桐島聡が全国指名手配となる。二人は逃げきることが闘争の勝利だとし月日を決めて神社での再開を誓う。桐島は髪を切り日雇いの労働者となる。高度成長期の当時、日雇い労働者は売り手市場で、労働力確保のため寮も完備されていたし身分を証明する必要もなかった。警察沙汰を起こさないよう、警察沙汰に巻き込まれないよう気をつけつつ、職場を転々とし、寡黙を貫き通し日雇い仲間の在日朝鮮人からもいい在日日本人と評されたりもした。逃げ隠れする生活が定着した頃、元赤軍の女性と親密になるが血を吐いて倒れ救急搬送されるが、ステージ4の胃癌によるものであることがわかる。余命幾ばくもないことを宣告され、逃走が闘争の勝利となるために桐島聡として死ぬことを望み、自分が桐島であることを告白するのだった。