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60点以上が一応の及第点(もちろん私的な評価として)。
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鑑賞日 2025/04/05  登録日 2025/04/06  評点 75点 

鑑賞方法 その他/図書館 
3D/字幕 -/-
いいね!レビューランキング -位

善悪なき自然観

本作はオープニングでヒロインのノースカロライナの湿地帯に対する思いが美しい風景と共にモノローグとして語られる。
彼女にとって生活、学びの場、人生そのもののように深く根差していたことがドラマの展開と共に見る者に伝わる。
本作は冒頭若者の死体が発見され、地元の保安官や検察は殺人事件と判断し、容疑者としてヒロインが逮捕・勾留される。
その牢の中で過去を回想していくスタイルをとりつつ、彼女の裁判が進行し嫌疑についての法廷劇が展開する。
それは単なるサスペンスとしての法廷劇ではなく、湿地帯の娘と言うレッテルを貼った都市部に生活する住民=陪審員の偏見との闘いでもあった。
そのような境遇に至る経緯を彼女の回想からひも解きながら、貧困と父親のDVから家族離散するプロセスを描く。
ただ父親の暴力の矢面に立つ母親が幼いヒロインを残して最初に家出していく件はすんなりとは飲み込めなかった。
更に兄弟姉妹が次々と出ていき、父親までいなくなるのは理解しがたく、幼い彼女が1人で成長していくのはちょっと飛躍を感じた。
それでも彼女が父親の暴力で一家離散となった経験から、男の暴力に対して恐怖と怒りを感じていたことはよくわかる。
このトラウマの大きさが本作のどんでん返しのエンディングを不自然と感じさせない効果をもたらした。
また彼女が出版社の編集者との会話の中で「自然に善悪はなく、ただ生きるための手段である」という強い世界観を有しているエピソードがある。
それは彼女の日記の「時には獲物が捕食者を殺さなければならない」との記述と死んだ男の似顔絵からも読み取れる。
ところでザリガニの鳴くところまで逃げれば父親が追って来れないという意味らしいが、ザリガニって鳴くのかな?