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シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録
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大島新監督が、劇作家・唐十郎と劇団唐組を撮影した2007年作品の再上映。唐十郎が執筆した戯曲「行商人ネモ」の劇団員による稽古やセット作りから、酒盛りまで撮影した作品。 初公開時に同じ劇場で見ているので、多少の仕掛けについては何かあったとは思ったが、パンフレットの虚構シーンシナリオを読むまでは正確なところは忘れていた。そして、宴会の歌唱披露で突然、唐十郎が怒鳴り出したのは現実のシーンとのこと。 ころころ表情の変わる唐十郎は、多重人格にも見え、飲酒量も多そうだ。無から有を生み出すプレッシャーによるものか。側から見る分には実に面白い。 なお上映後に、大島 新 監督による舞台挨拶がありました。 本作クライマックスでの大阪公演は、精華小学校校庭で行われたそうですが、公演最初が大阪というのには理由があり、大阪のお客さんは反応がいいので その反応を見て間合いなどを次回公演の際、再調整したのだとか。 本作制作の経緯は、その前年『情熱大陸』を作っていて、唐十郎を撮影して物足りなさを感じたのは、自身を演じているのではないかという印象が最後まで変わらなかったことや、劇団員を描けなかったこと、ビール会社がスポンサーだったこともあり、飲んで暴れるシーンはNGなどの制約があり、自分で作品を撮ろうと決めたのだそう。 最後に解説があるように、7割のドキュメント、2割のフィクション、1割は不明という本作ですが、フィクショナルに生きている唐さん自身は当初、気に入らなかったようで、理由は初号試写の際、若い劇団員の間で笑いが起き、「こんなの僕じゃない!」と出ていき引きこもったそう。僕はダンディで売っているからと、やり直しまで要求したそうですが、雑誌ぴあの満足度ランキングでトップを取り、その時の2位が織田裕二主演の「椿三十郎」。結局、織田裕二を上回ったことで満足し、事なきを得たそう。つまり、唐さんは主演俳優として関わっていたつもりで、まともなコミュニケーションが取れていなかったと後で監督は気づいたのだそう。 映画に出てくる山の置物は、実は何年も前からあったのだとか。 今後、別の演劇人を撮る予定はあるかとの監督への質問に、興味のある人がたまたま演劇人だっただけとのことで、今のところその予定はないそう。 その他、劇映画を撮る予定はあるかとの監督への質問には、ないと答えられていました。
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