愛情が危険を呼び…

メキシコの麻薬カルテルのボス・マニタスから、女性として生きたいと告白され、巨額の報酬と引き換えにその試みに協力することになった弁護士リタ。世界中を飛び回り最適な外科医を探し出し、マニタスの家族をスイスに移住させ、その仕事は完了したと思っていたが…

フランスで長きに渡って活躍するジャック・オーディアールの監督作は、メキシコの暗黒街を中心に描かれるミュージカル。最近よくある意外すぎる実話かと思って見ていたら流石にフィクション。

とはいえ、男の論理で進むギャングの世界で、女の心を持ち、待望の女の身体を持つものの、子どもへの愛情から家族を呼び寄せたことで徐々に破滅に向かっていくマニタス(エミリア)のドラマから目が離せない。エミリア、リタの周辺の女性像も深く描かれている。