大奥スポンティニアス・コンバッション。

大奥を舞台に女たちの熾烈な権力闘争を描くと共に、その恨みつらみの隙間に魑魅魍魎が忍び込み、「退魔の剣」によりモノノ怪を断ち斬る薬売りが大奥の秘密に迫るシリーズ第二作。

舞台やテーマは前作同様ながら、天子の子を孕りながら跡目争いの回避を名目とした懐柔により悲劇に見舞われた御中臈の怨みが火鼠となって炎を燃やす。

また、青い描線と和的でありながら、時代に縛られないアート性溢れる画面も前作同様で、全編が動く絵巻物のよう。「退魔の剣」を解き放つクライマックスの盛り上がりもやはり見もの。