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鑑賞日 2025/03/18  登録日 2025/03/18  評点 55点 

鑑賞方法 テレビ/無料放送/BS松竹東急 
3D/字幕 -/-
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連続殺人に無反応な登場人物たち

【あらすじ】
1947年夏、
田舎の豪邸に大勢の作家や芸術家たちが招待されるが、
中にはニセの招待状で呼ばれた人もいて、
その客たちや招いた側の一族が次々と殺され、
招待客の1人の探偵が事件の謎を解こうとする。

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坂口安吾の1947年発表の推理小説の映画化。

普通の推理モノでは、1人/1組の犯人が複数人を殺した場合、
被害者たちに関連があるのが普通だが、
この作品では無関係な8人が短期間に殺される(「不連続」の意味)ので、
「別の犯人が複数存在するのかも」
「目先の殺人の推理が終わらぬうちに新たな殺人が起こる」
「動機が全く絞れない」
となって、推理が難しいのが、
推理モノとして特筆すべき特徴。

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でも、事件の詳細はクライマックスの謎解きで解りやすく示されるが、
その終盤までの前半から中盤にかけてが、
面白くない作りになっている。

招待客や屋敷の使用人が多く、
台詞で説明される登場人物の把握が難しいのに加え、
彼らの会話劇のシーンが多いのに、引きの画で長回しを多用しているので、
緊迫感よりも冷めた雰囲気が感じられる。

そんな雰囲気で殺人事件が起きても、
うろたえる人が少なく、皆がアッサリと受け流す感じだった。

無意識に比べてしまう市川崑監督の金田一シリーズだと、
大げさに驚いたりの表情をアップで捉える真逆の表現方法で、
その方が面白くて正解としか思えない。

そうしなかった理由として考えられるのは、
「短時間で多くが殺される」というストーリーの特徴から
いちいち時間をかけて激しく描くのではなく、
アッサリ受け流す方と選んだ、とかだが、
うーん…。

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犯人が書いたニセの招待状で、
探偵を名指しして呼び寄せたことになっているが、
はたして、これはストーリーの単純ミスだろうか?

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時代設定は1947年だが、
内田裕也が長髪でパーマという60年代以降のありえない髪型。

時代の再現とかは真面目にやらずに、
緩い発想で作った作品ということかな?

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【以下ネタバレ】



ところで、このストーリー、
アガサ・クリスティの1937年発表の小説に似ているなぁ…。