バットを振り、白球を追う中井貴一ほか、かつての高校球児たちの晴れ晴れとした表情がいい。終盤の甲子園シーン。けれどもそこに至る過程がグズグズと遠回り、もっとシンプルに描いてほしかった。むろん男も（そして女性も）40代ともなれば色々あって当然で、離婚、リストラ、震災死など、厳しい現実があるのは分かるが、野球場面よりもそっちの話ばかりが目立ち、原作・重松清のストーリーテラーぶりが逆にうっとうしい。波瑠と門脇麦が演じる２組の娘に、おやじの本音がチラッ。