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あんのこと
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伝わった。 佐藤二朗が「この腹を抉られるような事実をなんとしても人々に伝えたいという思いで演じました」とコメントしている。たしかに、伝わった。今も杏のことをずっと考えている。映画の善し悪しという土俵で感想を書いていいものか、ためらう。 母から日常的に暴言暴力を受け、家には生活費が無く万引きして4年生から学校へ行かず、12歳から売春をさせられ、母が連れてきた男から覚せい剤を打たれ、自らも使うようになる。過酷な生い立ちから、他人を信用せず自分を諦めていたかもしれない杏が、目標を見つけて地道に努力する姿は尊い。 急に隼人を預けられても、オムツやベビーカーを揃え、ハンバーグやカレーを作り、隼人が泣いても決して怒鳴らず、咳をしていたら発熱を確認して冷えピタを買いに行く。杏の養育能力はすごい。短期間の関わりの中で隼人に愛情を感じ、日記に「わたしのいやし」とまで書いている。正直、あの環境で育った彼女にこんな力があると思わなかった。決めつけは良くない。 母親が杏を「ママ」と呼ぶ度に、ドキリとする。本来、杏を世話するママは自分なのに、娘に暴力をふるい、売春させた金で生活している。劇中では描かれないが、母自身の生い立ちや祖母との関係性も気になる。 一つ気になることがあるとすれば、ストーリーのスピード感である。杏が多々羅と出会ってから彼を信用するまで、薬物をやめようと思うまで、自助グループに参加するまで、家を出る決心をするまで、仕事を探すまで、隼人との生活に慣れるまで。尺の都合かもしれないけど、個人的にもう少しゆっくり進む方が好き。杏という人間のリアリティをより強く感じられる気がする。
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