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四万十川
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大人たちの世界が背景にみえているが,子どもたちが前面に立ち,次々と勃発する問題に彼女らなりの,彼らなりの解決を試みている.主な子どもは4人から5人ぐらいと見える.やや時代がかっており,時代が錯誤されている.概して貧しくはあるが,その貧しさにも差があり,または差別化を図るために子どもたちは貧しく弱いものを「ほいと」などとしていじめている.先生(石橋蓮司)もそこにはいるが,まるで用をなしておらず,逆に子どもたちには害悪のように映っている. 貧しさはさまざまな症状となって現れる.長女の姉ちゃん朝子(高橋かおり)は,家にいても口が増えるきりなので,働きに出なければならないし,また「自由な時間が欲しい」という労働者の欲望も出てきており,機関車に乗ってどこかに行ってしまう.その姉ちゃんに可愛がられていた次男のアツ(山田哲平)が実質的な主人公である.彼は,姉だけでなく,同級の千代子(小島幸子)に好意を寄せている.彼女は「塩飯」としてその昼食の貧しさからいじめられており,学級内では盗難の問題も発生し,その犯人に千代子やアツが仕立てられようとしている.アツは暴力での解決を試み,またドツボにハマろうとしている. アツの家族は川っぺりに粗末な小屋を立てて暮らしている.そこで食料や雑貨を扱い,一家を切り盛りしているのは,母のスミ(樋口可南子)である.この家の周りもそうであるが,石積みが印象的である.子どもたちは石積みをして河原で遊んでいる.砕石をトラックに積む仕事があるが,それもクレーンに取って変わられようとしている.石積みは至ところに見られ,少女や少年たちがそこに身を寄せている.こうした石は当然動くことはないが,子どもは走り,猫と遊び,喧嘩をし,運動を画面にもたらす.老人の話を聞いている子もいる.石も何事かを語りかけてこようとでも言うのだろうか.やがて四万十川は増水する.小便を飲んだアツがこの呼び水となったのだろうか.石は水に埋もれていく.泣くことも問題になる.涙は川に通じているようにも感じられる.
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