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女殺し油地獄(1957)
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堀川弘通監督が時代劇を撮るというのは意外だ。脚本は橋本忍で、「黒い画集 あるサラリーマンの証言」(1960年)や「白と黒」(1963年)等のミステリー・サスペンスの名作を世に送り出すこととなる名コンビ。前年の「日蝕の夏」は不本意な出来に終わってしまったようだが、庶民の日常生活や人間模様、喜怒哀楽に視点を置いた作劇は、いかにも堀川監督に適した題材だったと思う。 道楽に金を使う河内屋与兵衛は救いようのない奴だが、そんなドラ息子を厳しくも優しく見守る家族の姿が胸に沁みる。豊島屋を訪れた両親が倅に渡すようにと小遣いを託す、それを影で見ている与兵衛―何ともじぃ~んと来る場面…が、それでもまだ足りないと、結局お吉にお金を貸すように頼む始末。偽判を使って金を借りたことがばれたら打ち首になる、何としても助かりたいという気持ちはわかるが(いずれにしてもお前が悪い)、今までの余韻がぶち壊しに。原作がどういうものか未見だから偉そうには言えないのだが、ここは一本の映画として、もっと上手く脚色する工夫ができなかっただろうか。お吉を短刀で襲う辺りもダラダラとしていて締まりがなく、緊迫感もない。油まみれになりながらお吉を演じる新珠三千代がセクシーな太ももを露にする様は、大映の「鬼の棲む館」(1969年)で披露したヌードを連想させる。 やはり近松門左衛門原作の映画と言えば「浪花の恋の物語」(1959年、内田吐夢監督)、これが私の中では傑作だ。本作は残念ながらこれには及ばない。
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