勝新カッコいい、田宮二郎2枚目返上

　うわっ、勝新が若くて男前。それに中村玉緒も若くて可愛い。田宮二郎も後年2枚目の役なのに、何この角刈り。で、映画評終わり。
　もう少し言うと。どうも筋が好きでないなあ。関西の田舎の腕っ節の強いやんちゃ男が人妻と出来て、大阪に駆け落ちして、その人妻を棄てて、遊郭の女（水谷良重）と出来て、筋を通さず足抜けさせようとして失敗し、その間に女郎屋の向かいの肉屋の女中と出来て結婚して、さらにいかさま賭博で金を稼いで、因島に売られた女郎を助けにいって、因島で世話になった女組長（浪花千栄子）に不義理をして、謝りに行って女組長に立派な男になるなんて言われて。始終周りに迷惑ばかりかけて、義理欠いて。って、こんな主人公に、どこに肩入れできるの？
　原作を書いた今東光のスケベ親爺がこんな男が好きたっだのかな。何処がいいのかさっぱり判らない。大体、女郎の琴糸（水谷良重）を2度も助けるくらいなら、その先も責任持てよな。生娘とやりたいばかりにすぐに結婚するし、そしたら琴糸の気持ちはどうなる。琴糸は春を売る商売だから真面目に好きになる必要はないってか。義理も人情も欠いて、女を物の様に扱い、自分が大きな男だと見せている男の何処がいいのか。
　今だったら当然ダメだけど、当時だって春を鬻いでいる女性に対してももっと優しい男を登場させているよ。
　浪花千栄子親分、かっこよかったよ。小津の「彼岸花」での彼女も面白かったよ。むかーしむかし「なにわちえこでございます。」で始まるオロナイン軟膏のＣＭをテレビでよく見たなあ。