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鑑賞日 -  登録日 2025/04/12  評点 84点 

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3D/字幕 -/字幕
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憎しみも愛も解らない

英国のインディペンデント映画祭や英国アカデミー賞などにノミネートされるなど一気に注目され、日本にもやってきた作品です。
超話題作以外のミニシアター系作品を選ぶ時、Filmarksの公開中の並び順を参考にすることがあります。公開規模が小さいのにも関わらず、先週まではかなり上位に上がってきているのを見て、数本の中から観ることを決めました!

原題の「FEMME」とは、「言葉遣いや服装で自己表現に女性らしさがあること、その人」を指す意味もあるらしいです。(他にも多様な意味がありますが、、)
この言葉を調べて、改めてLGBTQに関わる言葉は多岐にわたることが分かります。
人の数だけその性的な特性はあるのでしょう。
あの暴君のように、「男性と女性だけ」みたいに決めつけるものではないことを感じます。

さて、物語が始まってすぐに事件は起こります。
ナイトクラブでダンサーとして活躍するジェールズは、真夜中の街角で暴漢に襲われます。彼女はそのショックで部屋に篭りきりになってしまいます。

ある日、彼女はゲイサウナでその暴漢の中心人物プレストンと出会います。そうです。加害側も同性愛者だったのです。
二人はすぐに性的関係を結びますが、、、

憎悪と愛情
計画的な復讐と予期せぬ感情
外見の強さと内面の脆さ

相反するものが絡み合って、ジェールズとプレストンの物語は進んでいきます。

ジェールズは、事件後の行動を他者に説明しません。
だから、観客も彼女の気持ちを推し量りながら見守るしかないのです。

私たちにプレストンとの交わりやその後のあの行動をジャッジすることはできません。ただ、見守って行くだけなのです。

何とも言えない、善悪、白黒の語れない結末に、私たちはさらに考え込んでしまいます。
きっとジェールズ自身もどんな気持ちで
プレストンと接していたのか、どうしたいのかが分からないまま、突き進んだ部分も
あったのではないでしょうか。

それを復讐とか、裏切りとか、愛情とか
言葉にはめ込むことはできない気がしてきました。