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鑑賞日 -  登録日 2025/04/15  評点 84点 

鑑賞方法 選択しない 
3D/字幕 -/字幕
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仮面の下は変わらない

アカデミー賞ノミネート作品連続鑑賞中。
一時は大本命と言われた本作。主演女優のSNS問題で急下降したと言われていますが、裏事情は分かりませんが、頂点に立つにはやはり何か足りなかったものがあるのでしょうか。

お話はめちゃくちゃ面白かったですし、
展開の妙というか、上手さという点では、
ノミネート作の中で(僕が観た)は、1番だったと思います。

ただ、上手過ぎというか、スムーズ過ぎるというか、
円熟ジャック・オーディアル監督のそつない作り方は見事なのですが、、、

言うまでもありませんが、多くの場合、観客は、作品と初対面です。
映画を、物語を観客の心に浸透させ、人物たちと感情を共有し、自分ごとに感じてもらうためには、短い時間で、その人物たちがどんな思いで生きているのかを割と端的に示す必要があります。

序盤、本作でも全編登場するゾーイ・サルダナ演じる弁護士リタがどのような状況に置かれているかを効率的に見せてくれます。
きっと本作の評価にあたって、ミュージカルは有効だったか否かの観点が出てくるだが、心情や状況を明確にするという点では効果があったと思います。

「ウィキッド」の時も感じたことだが、強い感情の動きをセリフにして表すと作為的なものになりやすいところを歌での表現にすることで、「作為の開き直り」とでも言うのだろうか、効果的に、直接的に伝えることができると感じました。

さえ、本作のチャプター2。
リタと麻薬王マニタスとの出会い(強制的だが💦)そして、思いもかけない依頼。
ここからドラマは走り出し、エミリア・ペレスの登場!
今年の映画流行語大賞にもなりそうな名セリフ!「bingo!」

予告編でもこの場面は出ているし、そーかーそれが彼の長年の夢だったのかと納得しながら観ていると、、

そこから、思いもかけなかったチャプター3.4へと続いていく!怒涛の後半チャートが始まっていきます。

ネタバレになるので、後半の展開については多くは語れないが、ここは評価が分かれるところでしょう。

エミリア・ペレスは本当のアイデンティティを獲得したのだろうか。
それまでの願いを実現させることで、今までの全てを棄てることができるのだろうか。
人は心底から生まれ変われるのか。

大きなテーマをはらんだ後半はとてもとても興味深い展開なんだけど、、ミュージカル仕立ての今度は否な影響なのか、
やや上手過ぎな感じも受けてしまいました。

最後にエミリア・ペレスを演じたカルラ・ソフィア・ガスコンさん、彼女でしかできない演技、彼女あっての作品だと思います。
確かに不適切な発言そのものは非難されても仕方ありませんが、それとこの作品での誰にもできない演技は分けて評されるべきではないかと思います。