1920年代、17歳のユダヤ移民の子ヌードルス(通称)は、ブルックリンから越してきた同じくユダヤ移民の子マックスと出逢う。
ふたりは意気投合。
同年代のパッシィー、コックアイ、それに年少のドミニクを加えた仲間で、街でひと稼ぎしていた。
そこには、親が経営するバーの手伝いをする太っちょモーも時々加わっていた。
モーの可憐な妹デボラにヌードルスは恋心を抱いていた。
ある日、バグジー率いる年長集団といざこざが起こり、殺されたドミニクの復讐で、ヌードルスはバグジーを刺し殺してしまう。
刑期は6年。
20代半ばになったヌードルス(ロバート・デ・ニーロ)を迎えに来たのはマックス(ジェームズ・ウッズ)。
マックスは禁酒法下で、太っちょモーを利用してスピーク・イージー(もぐり酒場)を経営して、裏社会ではちょっとした顔だった。
しかし、「ボスは俺自身だ」と言っていたマックスも、大立者フランキー(ジョー・ペシ)の仕事をするようになっており、そして禁酒法の終焉とともに自棄な銀行強盗を計画するようになった・・・
そして、パッシィー、コックアイとともに焼死体で発見され、ヌードルスはひとり、グレイハウンドのバスに乗り、姿を消した。
それから30数年、60年代後半。
老年期に入ったヌードルスのもとに一通の手紙が届き、ヌードルスは街へ戻って来る・・・
といった物語で、禁酒法時代の30年代を中心に、少年時代と老年期の現在が複雑な時制で描かれます。
豪華な美術とゆったりとした語り口で、壮大な絵巻物をみるような感じであるが、いかんせん、物語が薄っぺらい。
「男たちの友情と裏切り」といえば聞こえはいいが、ヌードルスもマックスも下衆な男で、彼らをとりまく人物も概ね下衆な人物なので、途中から「どうぞ、ご勝手に」って感じになってしまいます。
花を添える女優陣は、少女期のデボラを演じるジェニファー・コネリーが格段に良く、成長してからを演じるエリザヴェス・マクガヴァンは、やや小物な感じは否めない。
マックスの情婦キャロルを演じるチューズデイ・ウェルドが、予想外にいい味を出しています。
エンニオ・モリコーネの音楽も甘美で素晴らしいのだけれど、のべつ同じようなトーンで流れるので、胃にもたれる感じがします。
どうもセルジオ・レオーネ監督とわたしは相性が悪いなぁ。