男たちの挽歌

おとこたちのばんか|英雄本色|A Better Tomorrow

男たちの挽歌

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レビューの数

82

平均評点

75.2(481人)

観たひと

706

観たいひと

27

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル アクション
製作国 香港
製作年 1986
公開年月日 1987/4/25
上映時間 95分
製作会社 シネマシティ・カンパニー
配給 日本ヘラルド映画
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

香港警察と国際ニセ札組織の対決を兄弟の反目と絆を背景に描くアクション。製作はツイ・ハーク、監督・脚本はジョン・ウー、撮影はウォン・ウィン・ハン、音楽はジョゼフ・クー、編集はカム・マー、美術はベニー・リウが担当。出演はチョウ・ユンファ、ティ・ロンほか。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ホー(ティ・ロン)は香港の紙幣偽造シンジケートに属するヤクザで、相棒のマーク(チョウ・ユンファ)とともに恒達財務有限公司のボス、ユーの片腕的存在だった。一方、ホーの弟キット(レスリー・チョン)は、警察官。兄の悪業は知る由もなく、2人は仲がよく、キットは恋人ジャッキー(エミリー・チュウ)をホーに紹介した。ある日、組織の仕事で台湾に飛んだホーは、取引きの最中、相手の内紛に巻き込まれて警察に捕まってしまう。そのころ、香港ではホーを憎む組織の刺客がホーの留守宅を襲い父を殺す。号泣するキット。“ホー逮捕”の記事を読んだマークは復讐を決意し台湾に向かうが、逆に組員の銃弾を受けて右足を傷めてしまう。そして3年。台湾で刑期を終えて香港に戻ったホーは、父の死をホーのせいだと思い込んでホーを許そうとしないキットのためにも足を洗う決意をする。そんなある日、自分のために負傷し落ちぶれたマークとばったり会ったホーは、弟のためにもニセ札組織壊滅に動き出す。今、組織を取り仕切っているのは、かつて舎弟扱いをしていたシン(レイ・チーホン)だった。彼は組織の悪事が外にもれることを恐れてマークを襲う。シンに対するホーの怒りが爆発する。キットにニセ札組織壊滅の手柄を立てさせ、一方で取り引き場でシンから金を奪ってマークと共に香港からの脱出を企てるホー。しかし、シンもしたたかだった。大ボスユーを殺し、すべての罪をホーの仕業とみせかけ、邪魔者を一気に葬って、暗黒街を支配しようとしていた。夜の波止場を舞台に、ホー、キット兄弟とマークは、シンに挑むのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2024年9月号

COMING Old Pictures 旧作紹介:「男たちの挽歌」

2018年12月下旬号

巻頭特集 キネマ旬報創刊100年特別企画 第2弾 1980年代外国映画ベスト・テン:ベスト20グラビア開設

1997年11月上旬号

ビデオ・LDガーデン:「男たちの挽歌」LDボックス ジョン・ウー&チョウ・ユンファ インタビュー

1987年6月下旬号

外国映画紹介:男たちの挽歌

1987年5月上旬号

グラビア:男たちの挽歌

外国映画批評:男たちの挽歌

2024/09/13

2024/10/02

70点

映画館/神奈川県/TOHOシネマズららぽーと横浜 
字幕


また あの香港映画に会える日は来るのだろうか

ネタバレ

仲間の裏切りで逮捕された紙幣偽造の組織の幹部が、出所後はかつての部下の誘いを拒んで堅気になろうとするが、組織から執拗な仕打ちを受けて立ち向かう。
1986年の作品。それまでカンフーとコメディーが主流だった香港映画の流れを変え、のちに“香港ノワール”と呼ばれるジャンルの原点となったそう。公開時には見ていなかったのだが、じわじわと評判が上がってきて話題になっていったという記憶がある。
後年(いつだったか忘れた)、レンタルで見て結構楽しんだ記憶があるが、内容を全くといっていいほど覚えていなかった。
今、見ると冒頭のほうなどに当時の香港映画のコミカルな雰囲気も微妙に残っていて、何かギャグ的なことが起きるのかな、などとも思わせる。話の内容から言ってそんなことは全然そぐわないのだけれど、ひょっとすると本作品が出世作となったジョン・ウー監督がわざとそういう雰囲気を残し、後段の激しいアクションと対比させたのかもしれない。
ジョン・ウー監督は本作品で名を知られるようになり、のちにはハリウッドでも作品を撮って成功している。いくつか見たが、かなり強引な設定でも勢いで観客を引きつける力量を持っている監督というのが僕の印象だ。今回見た本作品もそう。特に後半のスピーディーな展開に目が離せなくなった。
それにしても… と思う。以前は“香港映画”といえば、とぼけたコメディー、文字どおり体を張ったアクションなど娯楽作品の宝庫でスターや監督、いろんな才能が花を開かせ、世界に飛躍した。それが近年はほとんど見かけなくなった。(調べたら製作本数が相当減少しているらしい。)
また、あの香港映画に会える日は来るのだろうか。
(4Kリマスター版を鑑賞)

2024/09/07

2024/09/07

-点

映画館/東京都/イオンシネマ多摩センター 
字幕


義理と人情を秤にかけりゃ...

「大変なんだよ、足を洗うってのは」

午前十時の映画祭14にて鑑賞。
刑事になった弟キット(演:レスリー・チャン)のために極道から身を引いた香港三合会幹部・ホー(演:ティン・ロン)。しかし最後の仕事で裏切りと密告にあい、台湾で拘束されてしまう。組織の口封じのために父を失い、そのことで初めて兄が極道であったことを知ったキットはホーを恨む。ホーの親友にして同じく三合会の幹部であったマーク(演:チョウ・ユンファ)はホーの仇討を果たすが、自身も足を負傷し引退を余儀なくされる。2人の極道と1人の刑事による愛憎と贖罪の物語。
端的に言って好きだわ。アジアならではの複雑な人間模様、そして香港映画が培ってきた軽快なアクションとやりとりの軽妙さ、終盤の壮絶な銃撃戦...程よい成金感がまた良いんですよ。男でこれ嫌いな人いるのかな?
別に極道を肯定するつもりは全くないが、損得勘定とは全く別の、所謂「義理と人情」とか「仁義」といった人間関係が僕はたまらなく好きだ。「コイツにだけは命を預けられる」という損得抜きの感情、このひとりを見つけるために人というものは生きているのではないかと、そう思うときがある。極道から足を洗うも、なかなかカタギでの生活を許されないホー、足を負傷し、後輩の車洗いに落ちぶれたマーク...ふたりとも社会では落伍者だが、それでも友情を貫けた2人は生きた意味があっただろう。彼らに理解を示すタクシー会社のキンさん(演:ケネス・ツァン)の存在が僕はとても好きで、キンさんに会えただけで「良かったな、ホー」とさえ思ってしまった。
濃密な香港ノワール、確かに堪能した。

2024/09/01

2024/09/01

80点

映画館/神奈川県/TOHOシネマズららぽーと横浜 


さあ反撃だ

基本はハードボイルドな内容なんだが、昭和歌謡のような音楽と、時々ぶっ込まれる変な笑いがちょっと苦手だった。

ただ、映画館で観たせいだろうか、この世界観にとっぷり浸かってしまい、この映画に陶酔している人の気持ちがはじめて分かった気がする。

かつての舎弟が、いつの間にか成り上がるというのは王道パターン。だからこそ、さあ逆襲だってところが一番の盛り上がり。
正面から勝負というのは潔いのだが、もう少し作戦を練っても良かったんじゃあないかと思ってしまう。

当然、チョウ・ユンファには生き残ってもらいたかったんだが、これはヤクザ映画の宿命か。

この続編があるようだが、まだ観たことがない。
ちょっと、観てみようかと思う

2020/09/28

2024/01/17

75点

選択しない 


香港に於ける昭和アクション

 香港の暗黒街に身を置くホー(ティ・ロン)と相棒で弟分のマーク(チョウ・ユンファ)は、ボスのユー社長(シー・イェンズ)の元で、贋札製造なんかに関つてゐます。どうでもいいが、このボスが九重京司みたいなのです。
 ホーの弟・キット(レスリー・チャン)は学生で、兄がヤクザ組織にゐる事を知らず、警官志望です。ジャッキー(エミリー・チュウ)と云ふ彼女がゐます。ホーとキット兄弟の父(ティエン・ファン)は、ホーに堅気になるやうに説得します。

 ホーはその最後の仕事と決めた贋札取引で、台湾に飛びますが事前に情報が洩れ、警察に捕まります。その際、若い弟分のシン(レイ・チーホン)を逃がし、自分だけが犠牲になりました。ホーが失敗したとして取引の敵対勢力がホーの家を急襲、結果父親が殺されてしまひます。兄の正体を知つたキットは衝撃を受けます。そして相棒マークはホーの報復とばかり台湾へ報復に向ひますが、大暴れするものの脚を撃たれてビッコになつてしまふ。

 それから三年、ホーは出所し刑事になつてゐた弟キットと再会しますが、キットは父の死をホーの所為だと思つてゐるので許せません。さらに警察内部でも極道の兄を持つ為に重要事件の捜査から外され、昇進も見送られるに及んでホーを憎み、二度と顔を見せるなと突き放しました。

 ホーは出所時に紹介されたタクシー会社に再就職が決まり、真面目に堅気の生活を目指します。このタクシー会社、社長を含め前科者ばかりと云ふメムバア。かつて所属してゐた組織では、ホーが助けたシンが実験を握つてゐました。脚の不自由なマークは、彼の運転手など雑用をさせられてゐます。その零落した姿はホーの心を痛めました。
 シンは麻薬取引にマークとホーを使ふ事を思ひつきますが、ホーが断固固辞した為、報復にマークは瀕死のリンチを受け、ホーの勤務先のタクシー会社にも乱入し破壊の限りを尽くします。

 復讐に燃える両者は、シンの事務所に殴り込みをかけ、贋札の原版を手に入れ、キットの手柄にさせやうと、ジャッキーに託します。そしてシンには、カネと引換に原版を渡すと持ち掛けます。シンは目の上のタンコブであるボスのユーを殺害し、この罪もホーになすりつけ、取引現場へ向ひます。ホーとマークは、全てを賭けてシンとの最終決戦に挑むのであります......

 香港アクションの歴史を変へたと言はれるシリーズの第一作であります。香港と云へばカンフーのイメエヂを払拭し、バイオレンスな男臭い世界を描きます。監督・脚本はジョン・ウーで、彼の出世作と目されてゐます。アクションと言つても、ハリウッド的スペクタークルを目指してゐなくて、むしろ監督が慣れ親しんだ日本の暗黒街・任侠映画のテイストがプンプンしてゐます。小林旭を大好きなジョン・ウーの事ですから、当然日活の無国籍とか「仁義なき戦い」を始めとする東映実録路線は知悉してゐるでせう。

 チョウ・ユンファがブレイクした作品としても記憶に残ります。それにしても痛いシーンが多くて辛いですなあ。しかし実質的主演は、カンフー映画時代のスタア、ティ・ロンですね。彼を中心に、義兄弟チョウ・ユンファと、実兄弟レスリー・チャンとの関係が本作のメインストリームとなつてゐます。レスリー・チャンもまだアイドルの雰囲気を残しながら、若さ故の潔癖さで兄を許せない弟を好演してゐます。もう彼もこの世にゐない事を考へると、感慨深いのです。

 そんな「男たちの挽歌」の世界なので女性の入り込む余地は無いのですが、唯一主要人物で登場するのは、レスリー・チャンの彼女役のエミリー・チュウであります。兄弟の仲直りを願ふ良い娘さんなのに、レスリー・チャンはちと冷たい。序盤ではコミカルな動きが目立つたので、コメディリリーフかと見紛ふ感じでしたが、この映画のトーンからするとその役割は不要だつたと申せませう。因みにこの人、「ポリス・ストーリー2」では、ヒロイン格だつた筈なのに出演シーンが総てカットされた事でも話題になりました。

 ラストは、弟はもう兄を逮捕する気は失つてゐるのに、兄は自ら弟の手錠を自分にかけて「やり直す」と言つてゐます。感動を呼ぶべき場面ですが、あれだけ殺してゐるので、香港の法律は知りませんが、日本なら極刑になるのではないでせうか......? いや、別に難癖をつけてゐる訳ではなく、わたくしは好きな映画ですよ。うむ。

2023/07/11

2023/07/11

78点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


Ⅴシネマのテイストを感じるが、日本が真似したのかな?

単純明快なストーリーで、スローモーションを駆使した銃撃戦や派手なドンパチ&出血(チョウ・ユンファの鼻血が妙に印象に残っている)等、酷暑で頭が朦朧としていても楽しめる。
とは言え、予算等の兼ね合いもあるのだろうが、ジョン・ウー監督のアメリカ進出時と比べると、画面の迫力に大きな差があって見劣りする。当時の香港映画としては、凄かったのだろうけど、、、
それに、役者全員が紋切り演技なので、どうも深みが感じられない。面白いんだけど、私の中での驚きは少なかった。
最初、レスリー・チャンの演技が粗く、わざとらしい燥(はしゃ)ぎっぷりに違和感を感じたが、ラストの表情は良かった。彼は、後のウォン・カーウァイ監督作品で、演技に目覚めたのかな。
チョウ・ユンファも、当作品で売り出して、様々な作品に出て、大スターの風格を身に着けていったんだろうなぁ。

そうこう書いている私の中の評価は”あと一歩”なのだが、レスリー・チャン、チョウ・ユンファ、ジョン・ウーを国際派映画人として輩出した歴史的な作品であることは間違いない。

2023/06/01

2023/06/01

65点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


爆破シーンが派手で良い

昔はCDなんて便利なものはなかったから、フィジカルに爆破シーンとかやっていたわけで、この映画はそれが非常に派手なのがいい。ジョン・ウーってとても優秀な監督だと思うけど、やっぱり香港映画には香港映画的なお作法というのがあるようで、変なふうにおちゃらけた演出は入れないといけないみたい。そういうのが好きな人かどうかで、この映画に対する評価は変わるかな。
それにしても、特に音楽とか80年代ぽい安っぽさが横溢していて嫌いではない。ホー役のティ・ロンというひとが長塚圭史にやたらと似ていて、どうもそこが気になって仕方がない^^;。