BS2放送録画の3回目の視聴。3時間越えの大作であり何度見ても完全理解は難しい。
1952年に旅芸人の一座12人がエギオンに到着したところから始まり、1939年からのギリシャの政治に翻弄された一座の過去に遡る。
1939年当時はギリシャも王制であったがが、第二次世界大戦の影が迫りナチスドイツを信奉するファシスト派と人民の対立。
対戦が始まると反イタリア(ファシスト)との対立があるが、結局ドイツに占領される。人民派は、パルチザンとなりファシストに反発。
1944年春、ドイツが撤退するが、今度は民主派のイギリス寄りとロシア寄りの共産主義との対立。12/3には十二月事件(血の日曜日)のギリシャ人どおしの殺し合いまで。
冒頭の1952年には、総選挙が行われるが元軍人のパパゴス元帥への投票の呼びかけやビラのまだまだ怪しい影。
こんな政治の混乱の中で、一座の中でも政治信条の異なるメンバー間の軋轢。ファシストを信奉するアイギストス。反ファシストのピュラデスや長男オレステスはパルチザンとなった戦う。この間に多くの団員が殺されたり、収容されたりで生き残ったのは少ないが、なぜか1952年の場面では12人。幽霊であろうか。
テオ・アンゲロプロス監督は1935年生まれで、当にこの時代を少年で過ごした。政治に翻弄される大人を見てきたことだろう。彼の信条は、やはり反戦だと思う。「エレニ」三部作でも同様であった。
もう一度見なくては、まだ理解できないでしょう。