汚れた血

よごれたち|Mauvais Sang|----

汚れた血

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レビューの数

41

平均評点

76.0(266人)

観たひと

452

観たいひと

56

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス
製作国 フランス
製作年 1986
公開年月日 1988/2/6
上映時間 119分
製作会社 フィルム・プラン・シャン=ソプロフィルム=FR3フィルム・プロ
配給 ベストロン映画
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

近未来の世紀末のパリを舞台に男女三人の愛の物語を描いてゆく。製作はアラン・ダアンとフィリップ・ディアス。監督・脚本はレオス・カラックスで本作品が日本公開第一作になる。撮影はジャン・イヴ・エスコフィエが担当。音楽はベンジャミン・ブリテン、プロコフィエフ、チャールズ・チャップリンの曲を使用。出演はドニ・ラヴァン、ジュリエット・ビノシュ、ミシェル・ピッコリほか。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

あと数年で21世紀を迎えようとしているパリだが、街には格別の変化はなく、ただ地下鉄が真赤に塗られ、彗星が近づいているために夜が恐ろしく暑かった。そして人々は、愛のないセックスによって感染するまだ治療法がみつからない新しい病気「STBO」の蔓延に恐怖を抱いていた。天涯孤独の少年、アレックス(ドニ・ラヴァン)は、どこか別の場所で新しい人生を送りたいと思っていた。ガールフレンドのリーズ(ジュリー・デルピー)と過ごす愛のひとときさえも彼には無意味だったし、後世に何かを残したいというわけでもない。やがてアレックスは、亡き父親の友人の中年男マルク(ミシェル・ピッコリ)と美少女アンナ(ジュリエット・ビノシュ)に誘われ、脱出の為の金欲しさに犯罪に手を貸す。そしていつしかアンナを愛するようになるのだが…。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1989年3月上旬号

外国映画紹介:汚れた血

1988年1月下旬号

グラビア:汚れた血

特集 汚れた血:監督 インタビュー

特集 汚れた血:短評

2023/06/26

2023/06/27

95点

選択しない 


初々しい二人

カラックス映画の中で最も好きな映画です。初々しいジュリエット・ビノシュの美しさとドニ・ラヴァンの怪しさのコントラストが何より魅力的。今見るとちょっと作り過ぎの感はありますが、音楽、色彩が効果的に使われ、サイレント場面や暗転が印象的です。初めて映画館で見た時、ラストシーンの二人に涙が止まらなかった。

2022/05/19

2022/05/19

77点

映画館/千葉県/キネマ旬報シアター(旧TKPシアター柏) 


30年の時を経て

高校生のシネママラソンでみて以来(シネママラソンとは夜から上演して朝まで4本くらいずっと上映するお祭り的な興行でした)
ちっとも覚えていなかった
なんなら寝てたかもしれなかった作品
でも強烈なインパクトでみたことは覚えてました

変なウイルスがフランスで蔓延してワクチンをどうのとまるで今と同じ構図になかなか驚き!

でもそのウイルスとは愛のないセックスをすると発症するという…
このあたりフランス的メルヘンね

交わされる会話や全ての構図がセンスいい
同じものを扱ってもセンスある人が触るとなんでこうもステキになるの?と驚くような
そんなセンス溢れる作品。

そしてビノシュももう1人リーズ役の彼女も瑞々しく美しい
あまりにも神々しい美しさ

愛について
フランス的感覚って人の本質を突いたことだとしみじみ

高校生の自分ならまるで考えられなかったところのような氣がする

これを20代の監督が作ったことも本質をつくのは年齢ではない
ということ。

よくわからないのに全く飽きさせない
疾走感のある愛のほとばしりに感動しながら

2022/05/15

2022/05/19

45点

映画館/千葉県/キネマ旬報シアター(旧TKPシアター柏) 
字幕


キネ旬ベストテン1988年外国映画43位

フィルム上映 

2022/05/15

2022/05/18

40点

映画館/千葉県/キネマ旬報シアター(旧TKPシアター柏) 
字幕


再挑戦

公開時以来久しぶりの鑑賞。前回全く受け付けられなかったが、あまりの評価の高さに再挑戦を目論んでいた映画。…またもや駄目でした。しかし、J・ビノシュの可愛さに見惚れていたし、モダンラブのシーンにはゾクゾクした。

2022/02/28

93点

購入/DVD 
字幕


疾走する愛

ネタバレ

ぶつ切りに近いカットや、かなり挑発的なカメラワークはまるでゴダールの作品を観ているようだった。
レオス・カラックス監督の名前を世界に知らしめた作品で、個人的にはアレックス三部作の中でも圧倒的にこの作品が好きだ。
二十代の始めにこの映画に出会い、その芸術的なセンスの高さに衝撃を受けたことを今でも覚えている。今観るとかなり荒っぽい印象は受ける。これは若さがないと作れない作品だし、また若い感受性がないとなかなか理解できない作品だろうなと感じた。
設定は近未来のパリで、彗星が近づいているために異常気象が続き、また愛のないセックスによる感染症で死亡者が多発しているらしい。
確かにSFっぽい雰囲気はあるものの、この映画が描くのは疾走する愛の姿だ。
一応サスペンスの要素もあるものの、正直この作品はストーリーを追うものではないと思った。五感で楽しむ作品とも言うべきか。
とにかくシーンのひとつひとつがスタイリッシュで印象に残る。
アレックスを演じるドニ・ラヴァンは爬虫類顔で全然ハンサムではないのだが、それでも不思議な魅力がある。壊れやすい青年の心を見事に表現していると思った。
アレックスがデヴィッド・ボウイの『モダンラブ』に合わせて夜の町を疾走する姿や、勢いに任せて車をひっくり返す姿、また器用にコインを操る姿はとても印象に残った。
そしてアレックスが一目惚れした相手アンナを演じたジュリエット・ビノシュ。
おそらくこれほどキュートな彼女の姿を観られる作品は他にないと思う。
彼女が自分の前髪に息を吹き掛ける姿はとてつもなく可愛い。
彼女の仕草のひとつひとつがどれも画になる。
アレックスとアンナのシーンも印象的なものが多い。
アレックスがアンナを抱えて夜の通りを渡り、向いのホテルへ連れていくシーンや、二人がじゃれ合ってシェービングクリームを掛け合うシーンはとても心に残る。
二人の間には親密な空気感が生まれるが、アンナが愛しているのは自分の父親ほども年の離れたマルクだ。
アレックスは何度もその事実を思い知らされることになる。
アレックスがアンナに囁く「君とすれ違ったら、世界全体とすれ違うことになる」は名台詞だと思った。
しかし、最後までアンナの気持ちはマルクに向いたままだ。それがアレックスに待っている悲劇的な運命を思えば切ない。
もう一人この映画で忘れられないのが、アレックスに別れを告げられながらも、彼に献身的に尽くすリーズの存在だ。
リーズを演じたジュリー・デルピーもジュリエット・ビノシュに負けず劣らず魅力的だ。
個人的にはこの映画で一番印象に残っているのが、地下鉄に飛び込んだアレックスを追いかけて、間一髪間に合わずに電車の窓越しにアレックスを見つめるリーズの表情だ。
彼女の存在がこの映画の魅力を底上げしていることは間違いない。
アンナが両手を拡げながら滑走路を走るラストシーンも映画史に残る名シーンだろう。

2021/08/28

2021/08/28

70点

レンタル/愛媛県/ゲオ/ゲオ今治鳥生店/DVD 
吹替


何もかもがフランス的

ネタバレ

設定から不思議な内容の映画である。彗星が接近して異常気象のパリには愛のないセックスによって感染する新しい病気STBOの蔓延が問題となっている世界というのがなんともフランス的発想で面白い。
アレックスはガールフレンドのリーズと過ごしながら、新しい人生を求めている。中年のマルクとマルクの情婦アンナに誘われ、金欲しさにアレックスはSTBOの特効薬を製薬会社から盗み出し大金をせしめようと犯罪に加担する。アレックスはそんななか、アンナに惹かれていき、ついにリーズと別れてしまう。アンナもマルクを愛しながらも自分に強引に迫ってくるアレックスと親しくなっていく。ところどころ魅せるアレックスとアンナの微妙な距離感や、発作的な行動がフランス的。そして、何を言ってもこの映画の見どころは、アンナを演じたジュリエット・ビノシュの透き通るような美しさ。アレックスだけでなく、不思議と観客までも引き込むような魅力が彼女からにじみ出ていて目が離れない。
ラストシーン、絶命したアレックスを前に一瞥してバイクで走り去るリーズと対照的に、突然両手を広げてリーズのほうへ走りだすアンナが非常に印象的だ。