フェリーニのアマルコルド

ふぇりーにのあまるこるど|Federico Fellini Amarcord|----

フェリーニのアマルコルド

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レビューの数

56

平均評点

75.2(248人)

観たひと

364

観たいひと

57

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 伝記 / ドラマ
製作国 イタリア フランス
製作年 1974
公開年月日 1974/11/16
上映時間
製作会社 FCプロ=PECF
配給 ワーナー・ブラザース
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

一九三〇年代を舞台にフェデリコ・フェリーニ自身にとって生涯忘れ得ぬ一年間の物語。「アマルコルド」とはフェリーニの故郷である北部イタリアのリミニ地方の今はもう死語になっている言葉で“エム・エルコルド”(私は覚えている)という言葉がなまったもの。製作はフランコ・クリスタルディ、監督は「フェリーニのローマ」のフェデリコ・フェリーニ、脚本はフェリーニとトニーノ・グエッラ、撮影はジュゼッペ・ロトゥンノ、音楽はニーノ・ロータ、装置・衣裳はダニロ・ドナーテ、編集はルッジェーロ・マストロヤンニが各々の担当。出演はプペラ・マッジョ、マガリ・ノエル、アルマンド・ブランチャ、チッチョ・イングラッシア、ナンデーノ・オルフェイ、ルイジ・ロッシ、ブルーノ・ザニン、ジャンフィリッポー・カルカーノ、ジョジアーヌ・タンツィーリなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

“春一番”の吹いた日の夜、ここ北部イタリアの小さな港町では町中の人々が広場に集い、うず高く積み上げられたガラクタの上に冬の女神の人形をかかげて火をつけ、訪れる春を祝って歌い踊り、騒ぎ明かしていた。十五歳を迎える少年チッタ(B・ザニン)も彼の父(A・ブランチャ)も母(P・マッジョ)、おじいちゃん(G・ラニグロ)や弟たちと共に祭りに加わった。若者たちは媚をふりまく娘たちをひやかし、大人たちは酒をくみかわす。チッタの憧れの年上の娘グラデスカ(M・ノエル)もいる。何て素晴らしい夜なんだろう。そんな楽しい春を迎える祭りが終わるとやがて夏がやって来る。町中の人たちが数十隻の小船にのり込み小型船団を組むと海へと乗り出す。沖合を通るイタリアの豪華定期船レックス号の晴れの姿を一目見ようと、町長以下の総出で祝福の船団を組んだのだ。霧深い沖合いを煌々たる明りに彩られてやってきた巨大な船を見ると人々は歓声を上げた。レックス号の勇姿はイタリアの誇りであると同時に、この小さな港町の人々にとっても誇りなのである。また当時、イタリア全土にはムッソリーニのファシズム旋風が吹き荒れていたが、この町でも例外ではなかった。少しでも反抗的な言動でもとろうものなら、たちまちファシスト本部に連行され、拷問をうける。そんな世相とは関係なく、季節は変わり、秋になる。チッタの一家は、精神病院に入れられていたおじいちゃんを迎えに行くことになった。医者は大分よくなったというのだが、前を開けずに放尿したり、大きな木に登って“女が欲しい”と叫んだりして再び病院に連れ戻された。チッタはそれでも仕方ないと思う。病院を出たところで精神障害者のおじいちゃんの望みは叶うはずもないからだ。同時にチッタは何かわりきれないものを感じていた。人間の根本的な欲望は誰だって変わりはしないはずなのだ。一方、チッタのグラデスカに対する想いは日に日につのるばかりだ。映画館で思い切ってアプローチしてみたが、まだ子供と思われてか全然相手にされない。それどころか、白鯨のような巨大な体躯のタバコ屋のおばさん(M・A・ベリッツィ)に弄れてしまう。そして冬が来た。降り続いていた記録的な大雪がカラリと晴れあがった日、どこから逃げだして来たのか一匹の孔雀が雪の上に舞い降りると、まばゆいばかり見事なその羽根を開げてみせた。だがイタリアでは孔雀は不幸の前兆であると信じられていた。その冬、チッタの母は病気をこじらせてこの世を去った--。そしてチッタの悲しみもようやく癒えた頃、“春一番”の吹く野原では、町中の人々に祝福されてグラデスカの結婚式が行われた。彼は自分にとって最も大切な二人の女性を失った、生涯忘れ得ぬ一年だった。……誰もが一度は通らなくてはならないさまざまな人生の別れを体験しながら、少年チッタはやがて来る激動の青春期への旅立ちを、漠然とした意識の底にではあるが確実な手応えとして感じていた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1975年2月下旬決算特別号

特別グラビア 外国映画ベスト・テン:フェリーニのアマルコルド/叫びとささやき/映画に愛をこめて アメリカの夜/スティング/ペーパー・ムーン/ブルジョワジーの秘かな愉しみ/ジーザス・クライスト・スーパースター/黒い砂漠/デリンジャー/エクソシスト

特別グラビア 読者のベスト・テン 外国映画:スティング/ペーパー・ムーン/映画に愛をこめて アメリカの夜/エクソシスト/叫びとささやき/フェリーニのアマルコルド/パピヨン/ジーザス・クライスト・スーパースター/燃えよドラゴン

1974年12月上旬号

映画批評:フェリーニのアマルコルド

映画批評:フェリーニのアマルコルド

1974年11月上旬号

グラビア:「フェリーニのアマルコルド」

「フェリーニのアマルコルド」って映画は僕らの映画ですよ・・・:池波正太郎×淀川長治 対談

分析採録:フェリーニのアマルコルド

1974年10月下旬号

外国映画紹介:フェリーニのアマルコルド

1974年10月上旬号

グラビア:「フェリーニのアマルコルド」

2022/04/29

2022/04/29

29点

選択しない 
字幕


裸の王様

フェリーニが映す人間には最低限の知性すら無い。
それを犠牲にして得られる筈のユーモアさえも無い。

2022/04/14

2022/04/14

96点

テレビ/有料放送/シネフィルWOWOW 
字幕


43年ぶりにきちんと見た。7,8回目。今までで一番良かった!

23歳、名画座で出会って映画館に何度も通い《ノスタルジア》を見るまでは最愛の映画だった。
ここ数日、映画を見る気力が失せたのか何を見ても終わりまで見通せない。これならどうか?と最高画質でブルーレイに焼いたものを再生したらまったく退屈もせずに一瞬で見終わってしまった。
ラストのグラディスカの結婚式シークエンスはずっと泣きっぱなし。
レックス号シークエンス以降の孔雀、母の死、再びの春、結婚式の流れは完ぺき。ニーノ・ロータの音楽も言うことなし。
レクオーナの「シボネー」のアコーディオン編曲も素晴らしい。
今回初めて気付いたが、特に前半、セリフと口が合ってないとこがかなりある。フェリーニはあまり気にしてないんでしょうね。なんの傷にもなってないし。

もう一つ気づいたのは、映画愛。フェリーニは少年時代、ハリウッド映画にどっぷり浸かっていたのだろうとうかがわせる。ゲーリー・クーパーは、そういうあだ名の地元民が登場するし、映画館でも上映されている。《モロッコ》の1シーンも。『ジーン・ハーロウ!』と叫ぶ男の子やローレル&ハーディやアステア?のポスターも。
ただ映画愛もファシズムもコミュニズムも、すべてサラッと描かれるだけなのだ。親子の愛情、亡くなった母親にさえも耽溺しない。センチメンタリズムとは対極にありながら強烈な哀感をさそう。大人のワザとしか言いようがない。

2022/04/11

2022/04/11

65点

VOD/U-NEXT 
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初心者には難解な不条理群像劇

イタリアの有名監督の自伝的な作品。

チャプターが分かれているわけではないけど、
実質ある家族を軸にした幾つかのエピソードの羅列である。
各エピソードも正直理解が難解で、一つ一つが綺麗に終わってるわけでもないので、最初は「え、急に場面が変わったけど」となる。
その繰り返しなので、この作品は「こういうルール」という事が分かってくるけど。
登場人物もほぼ説明がないので、各エピソードのスタートは「?」から入ってしまう。

映像を楽しむ作品で、ストーリーを楽しむ作品ではないんだろうけど。やっぱり作品を観る上でその辺りがノイズになってしまって。

2022/03/18

2022/03/19

80点

VOD/GyaO! 
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フェリーニの原風景

この時期のフェリーニの作品、いくつかDVDを昔買ったのですが、敷居が高そうで封も開けていないというのが正直なところ。何か機会をとらえて見ようとしています。さて見始めるとニノ・ロータの音楽に包まれて、小さな楽団がいかにもフェリーニらしさを醸し出していました。後期の作品はかなり見たので、共通したいささか強調されるフェリーニの諧謔的スタイルが素直につなげられていると思った次第です。

フェリーニの青春時代の思い出がベースになっている作品なのですね。舞台となったリミニ近郊はアドリア海側に面した風光明媚の都市のようで、その近郊で過ごす少年時代の1年を綴った、自伝的映画ということです。街の様子や少年から見た大人や、異性への憧れが、開放的に描かれていて、土俗的ともいえる街の姿が作者の人格を形成したとでもいったような、深い愛着と郷愁をもって描かれていました。

巡ってくる1年というレンジで、歳時記風でもあり、春はポプラの種が飛び、冬はもちろん降雪の様子で表現されています。イタリアの家庭は賑やかで直情的。その父親のアルマンド・ブランチャと母親のプペラ・マッジョが素晴らしい演技を見せています。マガリ・ノエルの出演する映画は何本か見ているようですが、あまり印象がありませんでした。今まで主役の作品を見てないからですね。ホテルに着いて誘惑する映像がなかなか良かったです。風景も感情も含めていろいろなものが詰まった万華鏡のような美しい作品と思います。

2021/06/28

2022/02/18

72点

テレビ/有料放送/シネフィルWOWOW 
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金字塔

4Kレストア版。
多分、3回目の鑑賞。
淡々と饒舌に語られる情景。スクリーンに映る絵は見事としか言えない。
老いと死。雪中孔雀。葬列。人生の普遍性と永遠性。
象徴・グラディスカ。
思い出すと浸りたくなる世界。

2021/12/19

2021/12/19

-点

レンタル/北海道/TSUTAYA/サンホームビデオ 江別店/DVD 
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全編ナンセンス

フェリーニお得意なエピソードだけを紡いでいく手法。
絵が上手く、霧の中の牛や、雪の中の孔雀や。
正直途中で眠たくなったが、こういう個性的な映画はフェリーニならでは。
またいつか観たい。