太陽がいっぱい

たいようがいっぱい|Plein Soleil|Purple Noon

太陽がいっぱい

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レビューの数

155

平均評点

81.2(774人)

観たひと

1158

観たいひと

101

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 フランス イタリア
製作年 1960
公開年月日 1960/6/11
上映時間 118分
製作会社 ロベール・エ・レイモン・アキム・プロ=パニタリア
配給 新外映
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ルネ・クレマンの「海の壁」以来の映画。アラン・ドロンが“天使の顔をした悪人”を演じるサスペンス・ドラマ。英国の女流作家パトリシア・ハイスミスの探偵小説『才人リプレイ君』から、「二重の鍵」のポール・ジェゴフとクレマン自身が脚本・台詞を書いた。撮影も「二重の鍵」のアンリ・ドカエ。音楽は「戦争 はだかの兵隊」のニーノ・ロータ。出演はドロンのほか、新星マリー・ラフォレ、「死刑台のエレベーター」のモーリス・ロネら。製作ロベール・アキムとレイモン・アキム。4Kレストア版が2019年6月28日より公開(配給:KADOKAWA)。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

トム・リプレイ(アラン・ドロン)は貧乏なアメリカ青年だ。彼はナポリに、中学時代の友人で金持のドラ息子フィリップ(モーリス・ロネ)を、父親から五千ドルの約束で連れ戻しにきた。フィリップにはパリ生れのマルジェ(マリー・ラフォレ)という美しい婚約者がいた。ナポリから帰ると、フィリップの父から契約をやめる手紙が来ていた。フィリップが約束の手紙を出さなかったからだ。フィリップはトムを邪魔者扱いにしていた。友人のパーティーに向うヨットの上で、トムはますます彼からさげすまれた。裸でボートに放り出され、全身が火傷のように日焼けした。トムはフィリップに強い殺意を抱くようになった。まずマルジュとフィリップに大喧嘩をさせ、彼女が船から下ろすと、ついにフィリップを刺し殺した。死体はロープで縛り、海へ捨てた。陸へ上ると、彼はフィリップになりすました。ホテルに泊り、身分証明書を偽造し、サインを真似、声まで真似た。ヨットを売り払う交渉も、親元からの送金を引き出すこともうまくいった。ホテルにフィリップの叔母が訪ねてきたが、別の下宿に移って事なきを得た。しかし、新しい下宿にフィリップの友人が訪ねてきて、トムに対して疑惑をもったようだ。トムはその男を殺して死体を捨てた。やがて刑事が調べにきた。死体確認に友人たちが集った時、トムはマルジェにフィリップはモンシベロに戻ったと告げた。トムはその夜、モンジベロへ行き、遺書を書き、金をマルジェに残して、フィリップが自殺したようにみせかけた。そうして元のトムに戻った彼は、傷心のマルジェをいたわり、愛を告げた。彼女もついに彼を受け入れ、結婚の約束を交わした。全てがトムの思うままになったのだ。トムは幸福に酔って、浜辺に寝そべり、こうつぶやいた。「太陽がいっぱいだ」と・・・。しかしその時、フィリップのヨットが、引きあげられていた。スクリューにからまったロープの先からフィリップの死体が現われた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2013年8月上旬号

UPCOMING 新作紹介:「太陽がいっぱい」

2010年5月上旬号

午前十時の映画祭:「天井桟敷の人々」「太陽がいっぱい」

1994年6月上旬号

グラビア:太陽がいっぱい

1963年3月下旬号

SB ニッポンの夜:30 太陽がいっぱいの北京曲技団

1960年7月下旬号

外国映画批評:太陽がいっぱい

1960年6月上旬号

ルネ・クレマンの新作「太陽がいっぱい」:

ルネ・クレマンの新作「太陽がいっぱい」:鮮やかなサスペンス・タッチ

外国映画紹介:太陽がいっぱい

2024/11/18

2024/11/22

80点

映画館/東京都/Bunkamura ル・シネマ 
字幕


鬼人を演じるアラン・ドロンの凄まじさ

イタリア・ナポリ。
トム・リプリー青年(アラン・ドロン)は、フィリップ・グリンリーフ青年(モーリス・ロネ)をフィリップの父の命令で連れ戻しに来た。
トムは才人。
目端が利いて役立つので、フィリップは重宝して友人のように扱うが、心底では階級が違うと思っている。
貧乏なトムは、連れ戻した際にもらえる約束の5000ドルがほしい。
いや、美しい婚約者のマルジェ(マリー・ラフォレ)も含めて、フィリップが持つすべてのものがほしいのだ・・・
フィリップ、マルジュ、トムの3人でヨットに乗って海上生活を楽しんだが、フィリップとの諍いからマルジュは下船。
フィリップとふたりになったトムは彼を殺し、フィリップになりすますことにする・・・

といった物語。

現代の視点では、そうそう簡単になりすますことなどできないような気もするが、スマホなどで取引すべてが完結するので、もしかしたら現代の方が上手くいくかもしれない。

それはそうとして、恐ろしいばかりのサスペンスで、波高い海上で死体を始末しようとするトムの鬼気迫る姿。
特徴的なフィリップのサインをマネするトムの冷血な様子。
アラン・ドロンの美貌が凄まじい分、鬼人のように見えてきます。

後半は、トムのなりすましがいつバレるのかのサスペンス。

サスペンスの基本、観客は知っているが、劇中のトムを除く人物の誰もが知らないというシチュエーションを積み重ねることで、サスペンスを盛り上げていきます。
ルネ・クレマンの演出、みごとですね。

さてさて、才人トム・リプリーの完全犯罪、ほぼほぼ成功に見えたが、悪事が露見するシーン・・・
おぉ、こういうワンカットだったのか!

フィリップとマルジュの愛憎関係、結局のところは切っても切れない関係だった、という。
(ヨットの船名がマルジュなので、暗喩だったわけで)

有名なテーマ曲は、前半と最終盤に流れるだけで、それほど登場場面は多くありませんが、鮮やかな幕切れなので耳に残る、という。

なお、トムが銀行でフィリップの預金を引き出す際、彼の青い眼のアップが2回インサートされるが、たぶん1回目はフィリップ=モーリス・ロネのそれでしょうね。
トムとフィリップが、いわばコインの裏表をあらわした演出だと思うのですが・・・
真偽は如何に。

2024/11/10

2024/11/21

80点

映画館/東京都/Bunkamura ル・シネマ 
字幕


名作に名曲

名作には必ず名曲がついている。そのメロディと共に一生忘れられない映画となる。この映画はその代表ではないだろうか。そのうえ、若きドロンの魅力全開となれば最強である。ラストは、その後のドロンの役者人生を象徴している。新たに観る者を魅了して、永遠に語り継がれる映画だ。

2024/10/14

2024/10/15

80点

VOD/U-NEXT 
字幕


二回目

妻にアラン・ドロンをみせたくて観賞。
アラン・ドロン主演作の中ではわかりやすく面白い作品と思い選出。
まさかの115分頃に義母がお好み焼きの差し入れを持ってきて中断。
残り3分の大事な場面へ向かう直前の中断は致命傷。
とはいえ満足はしてくれたようで良かった。

2024/10/05

2024/10/05

80点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


期待したほど高画質ではなかった

4K修復を施したものを、WOWOW 4Kで放送したものを鑑賞。こういうやつはものすごい高画質でびっくりすることが多いけど、この作品に関しては期待したほどではなかった。そこがちょっと残念。
この映画は昔の地上波のTVの映画番組で繰り返し放送されていた頃に断片的に見たことはあったのだけど、ちゃんと通して鑑賞したのは初めてだと思う。改めて観てみると、有名なスチール写真になっている、ヨットの上のシーンはほんの一部で、それから先はアラン・ドロンが詐欺的行為を行いながら、更に殺人を犯すストーリーが続くわけで、映画の本題はどちらかと言うとそちらのサスペンス的な部分だと言うべきか。しかし、若きアラン・ドロンが本当に美しいので、それを眺めているだけで価値があるところ、この映画が真に優れているのは各シーンのカット割りというのかな、挿入される短い映像のセンスの良さだと感じる。やはり監督がいちばん偉いんだな。お話は正直言って主人公氏が行き当たりばったりすぎておいおいと言いたくなるところも多い。あと、ヒロイン役の女の子があっさりとアラン・ドロンに乗り換えそうになったりと、あまり共感ができなかったりもするしね。とは言え、船に死体が引っかかったままの状態なのが、船を売ろうとして陸に上げたことで露見するところとか、最後に主人公が逮捕されるところをあえて見せずに、島と船を映し続けるところ、すごく秀逸。やはり名作の誉れ高いのはよく分かる。そして忘れてはいけないのがニーノ・ロータの音楽。超有名なテーマ曲以外もすごく印象的な響きが沢山あって良き。

2024/09/04

2024/09/25

83点

映画館/愛知県/センチュリーシネマ 
字幕


アラン・ドロンでないと成立しない

青い空、青い海、ジリジリ照りつける太陽、ジリジリ追い詰められる主人公、一度聴いたら忘れられない流麗なメロディ、映画史に残る大ドンデン返し、これらの要素が奇跡的にピタッとはまってこの傑作が成立しました。そしてこれらはアラン・ドロンという俳優がいたからこそ成立したのだと思います。

2024/09/21

2024/09/21

84点

映画館/東京都/角川シネマ有楽町 
字幕


アランドロン追悼上映にて4K鑑賞。角川シネマ有楽町

スクリーンでは初鑑賞、急遽の追悼上映だっただけにガラガラだったが何度観ても素晴らしい。永遠の傑作。