とりあえずと書いたのは、1976年にベータで録画して見まくったからで、実際は何回見たか分らないから。
1975年暮れに、SONYのベータ機を30万円で月賦で買った。
バイト代で払ったのだが、テープ代がまた高い。
1時間テープが6千円だか1万円だか覚えてないが、とにかく「冒険者たち」を録画するのにβテープ2本が必要で、1万円以上かかったことは確かである。
最初に見たのは1971年の高島忠夫さんの「ゴールデン洋画劇場」だったと思う。
翌日、高校に行ったら、いつもの映画仲間が「あそこでジョアンナ・シムカスを退場させて、ほんと良かった。」なんて冷めたことを、ぬかしてた。
こいつは理知的で、そういう奴である。
また会いたいな。
1973年に新宿歌舞伎町、名画座ミラノでかかったので見た。
ノーカット、シネスコサイズ、原語で見れたのである。
そして1976年のビデオ録画であった。
1983年にはCBS SONYビデオから、トリミング版がリリース。
1万2千円したと思うが購入、鑑賞。
(この会社のシリーズでは、アニメ「バッタ君町に行く」も買った。)
その後はLDもDVDも買わず、2007年にBlu-rayでようやく再鑑賞。
80年代だったか、劇場リバイバルにも行かなかったから、たぶん24年間見なかった。
そして、そこから今日までまた17年、見なかった。
まぁ100点付けてもそんなもんである。
最初の44分のパリ篇、ここは、もうなんか、みんな頭に入っていて、やっぱりこの映画、見過ぎたな、と思っていたが、そこからのコンゴ篇30分が、やっぱり見てて楽しい。
海底へのレクイエムも、つくづく美しい。
そしてそのあとの39分の、アフター・コンゴ篇。
そこではマヌーの金遣いの粗さが気になった。
マヌーが墓穴を掘ったとも言える。
マヌーは、いい男なので、喫茶店?の年増のウェイトレスといい仲である。
やっぱりレティシアに、ふられてもいい男・・・か?
海の要塞についてレティシアがドロンに語るシーンがある。
「海に浮かぶ家を買うわ。ラロシェル市よ。」
ラロシェルなんて地名の台詞があったか。
グーグルマップでラロシェル市と検索しても海の要塞は見つからない。
ちょっと調べたら、海の要塞=フォール・ボワヤール fort boyard と分かった。
これは一発で出て来る。
そういや序盤で、ドロンたちを騙した男たちが「エトルタにでも飛ぶか(飛行機で)」という台詞を言う。
エトルタは、あのルパンに出て来る《奇巌城》がある海岸である。
あれは、本当に美しく、そして不気味である。
今、見ると本作は、あちらこちらに、わざとらしいところもあるが、それでも奇蹟のような映画である。
ジョアンナ・シムカスを映画界にスカウトしたのは、ゴダールとのこと。
(2007年だかの、カンヌ映画祭でのシムカスのインタビュー。)