戦艦ポチョムキン

せんかんぽちょむきん|Battleship Popemkin|Battleship Popemkin

戦艦ポチョムキン

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レビューの数

52

平均評点

76.5(264人)

観たひと

407

観たいひと

45

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 社会派
製作国 ソ連
製作年 1925
公開年月日 1967/10/4
上映時間 66分
製作会社 ゴスキノ第一製作所
配給 ATG
レイティング 一般映画
カラー モノクロ
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

セルゲイ・M・エイゼンシュテインが、第一次ロシア革命と呼ばれる一九〇五年革命のなかの、歴史的事件“ポチョムキン号の反乱”をテーマに製作したもの。彼は監督・シナリオ・モンタージュを担当し、《リズミック・モンタージュ》と《音調モンタージュ》は特に有名である。シナリオはニーナ・アガジャノヴァ・シュトコがエイゼンシュティンに協力している。撮影はエドゥアルド・ティッセ、音楽はニコライ・クリューコフ、録音はイ・カシケヴィッチ、美術はワシリー・ラハリスが担当した。なお、助監督にグリゴーリ・アレクサンドロフがついている。出演はア・アントーノフ、グリゴーリ・アレクサンドロフ、ウラジミール・バルスキーらのほかに、エイゼンシュティン自身が神父役で出演している。製作一九五二五年だが、モスフィルムが一九五〇年に発声版を作っている。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

軍隊の度重なる敗北にともない、ロシア国内には、労働者ゼネスト、農民の暴動、従属民族の反乱が相次ぎ、革命の気運が漸く軍隊の内部にまで高まって来た一九〇五年六月。戦艦ポチョムキンは、労働者のゼネストが行なわれているオデッサの港からほど遠からぬところに碇泊していた。六月十四日の朝、甲板の一隅に吊された牛肉の表面に蛆が群がっていることから、水兵たちの怒りは爆発した。が、そこに現われた先任士官ギリヤロフスキーにより水兵たちは追いちらされ、食卓には腐肉のスープが並べられた。だが、誰一人として手をつける者はなかった。数刻後、緊急集合のラッパが鳴り渡り、甲板に整列した全員にむかって艦長ゴリコフ(V・バルスキー)は、スープに満足した者は前に出ろと命じ、出ない者は帆桁に引っぱりあげるようにと命じた。水兵たちは動揺した。その時水兵の一人マトウシェンコは水兵たちに砲塔の下に集まるよう呼びかけ多くの水兵はその指示に従った。ギリヤロフスキーは、衛兵に艦首に残った十数名の水兵を射つように命令した。間髪を入れずワクリンチュク(A・アントーノフ)がさけんだ。「兄弟たち、誰を射つつもりか!」という言葉に、衛兵たちの銃はおろされた。ギリヤロフスキーは再度命令したが、撃つ気のない衛兵をみてその手から銃をとり水兵たちを撃とうとした。水兵たちは一斉に立ち上った。軍医や艦長は海に投げこまれた。しかし、指導者ワクリンチュクもギリヤロフスキーの銃にたおれた。このポチョムキンでの暴動のニュースはすぐ町中に広がり、多くの大衆の心を大きくゆさぶった。それから間もなくポチョムキンには黒海艦隊が鎮圧にくるという情報が入った。降伏か抗戦かをめぐって激しい討論の末、ポチョムキンは抗戦ということに決った。夜になり、艦隊は姿をみせた。マトウシェンコの命令で、ポチョムキンのマストには「われらに合流せよ」の信号旗が上げられた。艦隊は射程距離内に入った。戦いか、死か、緊張した一瞬がながれた。そして次の瞬間、ポチョムキンの水兵たちが聞いたのは、津波のように押しよせてくる「同志!」という言葉だった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2007年8月上旬号

DVDコレクション :第322回 「戦艦ポチョムキン」

2006年1月上旬新春号

Kinejun front:3 「戦艦ポチョムキン」80周年記念上映

1977年7月上旬夏の特別号

グラビア:「戦艦ポチョムキン 完全版」

1967年11月下旬号

外国映画批評:戦艦ポチョムキン

1967年10月下旬号

新作グラビア:戦艦ポチョムキン

外国映画紹介:戦艦ポチョムキン

2024/11/21

2024/11/21

75点

購入/ブルーレイ 


映画の技法の発見

モンタージュ、オーバーラップと映画の技法を発見した映画であり、民衆の怒りの映画。

2024/09/19

2024/09/19

75点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
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蒼乃桔梗58歳、初めての『戦艦ポチョムキン』

先人達によって語り尽くされた感のある不朽の名作。私ごときが新たな視点からレビューするのは無理筋。このレベルに達すると映画の枠を超えてもはや一般教養の対象だろう。

スープをきっかけとした洋上の反乱から衝撃の赤旗、そして階段での大虐殺へ。クライマックスへ至る過程が巧みで引き込まれる。モノクロ、サイレントでこれだけの情報伝達力は素直に凄いと思う。

国策プロパガンダ映画も99年の時を経れば主義・思想で語る必要もない。“映画ファンなら一度は観ておかなければならない作品”と今更初見の私が言っても説得力皆無だが。

2023/11/28

2023/11/29

70点

VOD/YouTube 
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「世紀の名画 全巻をつらぬく烈しい人間愛!!」

ずっと観たかったのだが配信してないと思ってた。
パブリックドメイン化してて普通にYou tubeで観れた。
100年近く前の作品だがリマスターされて綺麗な映像。

オデッサの階段シーンは圧巻。
「アンタッチャブル」やん!って思ったがこっちが元ネタ。
これは当然映画史に残る名場面。

そもそものオデッサの階段の造形が素晴らしい。
上から見るのと下から見るのではまったく違うっていう錯視を利用したデザイン。
これが180年以上前に作られたってのは凄い。
今はウクライナになるみたいだが一度生で見てみたいものだ。

2023/09/03

2023/11/26

80点

レンタル/大阪府/TSUTAYA 
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DVDの冒頭に淀川長治さんの解説映像が入っていて、見どころを包み隠さず話してくれる。映画を観てから聞きたかった!と少し思うものの、それでも本作が持つ力強さとメッセージ性が薄れることはない。中でも、“ポチョムキンの階段”と呼ばれるオデッサの階段シーンが印象的で、銃弾に倒れる母親と階段を雪崩落ちる乳母車が記憶に残る。他にも、戦艦ポチョムキンでの反乱と団結、オデッサに暮らす人々の優しさと怒り、ラストシーンの溜めと安堵等、約100年前の作品とは思えない完成度。なお、オデッサの群衆の中でひとりの男性がユダヤ人への差別的発言をし、周りにボコボコにされるシーンがある。偏見がないことを嬉しく思ったものの、どうやら当時のオデッサの人口の30%近くがユダヤ人だったからっぽい。今のロシアに戦艦ポチョムキンに当たる人たちが現れることを願う。

2023/11/03

2023/11/05

70点

VOD 
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映画と専制

水兵たちの熟睡にある微妙な揺れには予感が含まれる
吊るされている肉も揺れており,その周りに水兵が群れている ウジ虫が軍医の眼鏡によって確認されようとするが,軍医はそれはウジ虫でないと主張する
船の機械が圧倒的に迫り,大きなロープや鎖がいたるところに見えている 砲の筒やらいたるところが水兵にが磨かれている.テーブルも吊るされていて,そこに配置されたスープ鍋も水兵たちに拒否され,揺れている.洗われ,拭かれ,並べられている
ラッパが拭かれ,水兵たちが甲板に集まってきている 艦長はその司令権を使って水兵たちにあれやこれやを指示し,スープを飲んだの飲まないので分断をさせる.つるし首が艦長に叫ばれると,その吊るされた兵の幻影がマストに映し出されている 帆布で覆われた水兵たちがやはり水兵たちによって銃殺されようと狙われているが,そのその銃身も揺らいでいる
掲げられた側が揺れている 仙人のような男が十字架を掲げて甲板に現れる ピアノの鍵盤が踏まれ,蝋燭が踏み躙られ,暴力は加速しようとしている 砲身に逃げた者たちが海へと落下していく
船内で水兵に蜂起を呼びかけたワクリンチュクは後頭部を撃たれ,途中,様々な器具に引っかかりながらも水面へと落下していく
オデッサの港には何艘もの船が黒々と集まっており,水面を反射する光を遮っている.港に設けられた小さなテントの天幕からはワクリンチュクの死体が見えており,そこには蠅がたかろうとしている.群衆が階段を降り,波止場の桟橋を埋め,集まり,歌を歌い始めている.拳が握られ,人々は激烈なスローガンを叫びながら騒ぎ出している.群はゆっくりとであるが大量にその歩を進めている.
港では多くの,しかし小さな帆船が出港していく.戦艦ポチョムキンには甲板から溢れんばかりの人たちが集まっており,それに呼応するように集まった人々は海と戦艦に向かって手を振っている.階段の上方から正規兵たちが群衆を撃ちながら階段を降りてくる.両足のない者,片足のない者も杖や腕を使ってその階段を降りていく.老人,女性,子どもも撃たれ,倒れ,踏み躙られていく.乳母車に乗った赤子も母が腹を撃たれたのをきっかけに,階段を落下していく.コサック兵も階段の下で待ち構え,逃げ降りてきた群衆を撃ち殺していく.
ポチョムキンの砲身や旗がまたも映し出されている.海上は光を低く反射しており,艦上の水兵たちも仮眠すると,サーチライトも目を閉じるようにその光を遮断していく.敵艦隊を認めると,総員出動の指令がかかり,ラッパが吹かれ,パイプが吸われていく.戦艦は黒い煙を吐き,砲弾が準備され,艦内の様々な機械が動き出し,電話などの連絡系統も各所で稼働していく.機関が動き,メーターの針が動き,敵艦に「合流せよ」と手旗信号が送られる.砲口はキャメラに正対し,観客の方へと向けられる.

2023/09/16

2023/09/16

74点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 
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盛り上げ方は良い感じ

渋谷シネマヴェーラ
企画は、日常と戦争そして旅 ウクライナ・ジョージア・ソ連映画
1925年の映画の教科書の一つ言われる作品。
部分的には見たことあったけど、見たことないので鑑賞。

緊迫していくはずなのに、なんとなく間延びしてつまらないシーンあり。

腐った肉に不満の水兵たち
銃殺刑にしようとする上官、そして反乱。士官たちは全員悪そうでにやけた演技をしている。

オデッサの階段シーン、迫力ある。子供を撃たれた女性のアップで主観的にシフト。乳母車のカットバック
 
港にも支持者がたくさんいる。金持ちも一部も楽観的なのかポチョムキンに手を振ったりしている。
民衆は金持ちのユダヤ人への怒りもあるらしい。

どのくらい盛り上がっていたか分からないが、史実はあらゆる港でポチョムキンへの食糧供給は拒まれたらしい。

日本の捕虜になった方がマシなもの食えるって言ったり。設定が1905年あたりだから、日露戦争も多少意識されている。

最後は黒海艦隊に追いかけられ、緊迫したシーンで盛り上がっていく。砲口のアップが何度も映り、いつ噴くのか緊張感あり、序破急の急が効いている。

白黒だが、赤旗は赤くしてある。
映画館のBGMが激しい。

あと、ずっと、勝手に10月革命のシンボルの巡洋艦アヴローラの冬宮砲撃の話となぜか勘違いしていた。