あのCMの物まねはよくやったよ。子供だからラストの物まねは出来なかったけど。
いまどき男らしさとか女らしさなんてものは、ジェンダーレスの時代にアナクロなもの。
私も男尊女卑なんかいかんよ、とはいうものの昭和生まれのおじいとしてはこういう男くさい映画は好みなんだよねえ。普段は軟派ないくじなしのくせに、この男同士の友情にはぐぐっとくるのである。
警察に追い詰められても、アラン・ドロンもチャールズ・ブロンソンも相手の名前を言わない、仲間を売らない。これが男ぞ、というわけ。
チャールズ・ブロンソンはこの映画が撮られた時はまだアメリカ本国での人気はなかった。こうしてフランス映画でアラン・ドロンと同格の主演で迎え入れられたのは、本国より先にブロンソン人気が出ていたからだ。そしてこれがきっかけで日本でも人気が出てきた。そこで60代以上なら「う~ん、マンダム」というCMを知っている。日本での人気に目をつけての起用だった。その頃でもまだアメリカでもブロンソン人気はそれほどでもなかった。アメリカのエージェントから「なんでブロンソンを起用するんだ?他にも良い役者がいるぞ」と言われたとCMの演出を担当した大林宣彦監督は語っていた。
ともあれ、平均的な普通の男子はイケメンに反発もあってか、私もアラン・ドロンよりもブロンソンであった。ぶちゃむくれのしわしわの顔だけど、アクション映画のヒーローはハンサムでなくていい。
ブロンソンの口癖イヱ~イをドロンが大声で返す、そこで余韻を残さず、ばっさり切ってしまうラストもかっこいいなあ。今みたいに長々とエンドクレジットしない潔さも抜群だ。もっともこれは映画に関わった人は全員タイトルに載せるのが決まりになった以前の映画なのでこうなるのは当然だろう。いまだったら、このラストから延々とスタッフの名前が出てくるよねえ。